いね‐がてに【寝ねがてに】
[連語]寝ることができないで。→がてに「秋萩の下葉色づく今よりやひとりある人の—する」〈古今・秋上〉
命(いのち)なりけり
命があったからこそのことである。生きていたからできたことである。「年たけて又越ゆべしと思ひきや—さ夜の中山」〈新古今・羇旅〉
命(いのち)待(ま)つ間(ま)
命が終わるのを待つ間。「ありはてぬ—の程ばかりうき事しげく思はずもがな」〈古今・雑下〉
いま‐いま【今今】
《「いま」を重ねて強めた語》 1 ごく近い過去。たった今。「—其処(そこ)へ出て行きなすった」〈藤村・破戒〉 2 待ち望むようすを表す語。今か今か。「—とわが待つ妹(いも)は鈴鹿山(すずかやま)...
今(いま)は限(かぎ)り
1 物事の最後。もうこれまで。「散らねどもかねてぞ惜しきもみぢ葉は—の色と見つれば」〈古今・秋下〉 2 人の死に際。臨終。「—になり給ひにし御病の末つ方」〈源・橋姫〉
今(いま)もかも
(通常、下に推量表現を伴う)ちょうど今頃は。「—咲き匂ふらむたち花の小島のさきの山吹の花」〈古今・春下〉
いま‐や【今や】
[副]《「いま」+強意の間投助詞「や」から》 1 今こそ。今まさに。「—決断の時」 2 今にも。「—沈もうとしている」 3 今では。今はもう。「—一流の作家だ」
[連語]《「や」は疑問の係助...
いり‐しお【入(り)潮/入り汐】
1 引き潮。干潮。「霜枯れの横野の堤風さえて—遠く千鳥鳴くなり」〈続古今・冬〉 2 満ち潮。差し潮。満潮。「浦荒れて風よりのぼる—におろさぬ舟ぞ波に浮きぬる」〈玉葉集・雑二〉
いれ‐もじ【入れ文字】
和歌の中に特定の文字を隠して詠み入れること。例えば「うつせみ」を詠み込んだ「波のうつ瀬見れば玉ぞ乱れける拾はば袖にはかなからむや」〈古今・物名〉の類。
いろ‐ふか・し【色深し】
[形ク] 1 色が濃い。色が濃く美しい。「わが宿の嘆きの下葉—・くうつろひにけりながめふるまに」〈かげろふ・上〉 2 ひたすらに恋うさま。情が深い。「紅の初花ぞめの—・く思ひし心われ忘れめや」〈...