なか‐の‐ころも【中の衣】
直衣(のうし)の下、単衣(ひとえぎぬ)の上に着る衣服。和歌では多く男女の「仲」にかけて用いる。「包むめる名やもり出でむ引き交はしかくほころぶる—に」〈源・紅葉賀〉
なが‐てん【長点】
和歌・俳諧などですぐれた作品につける評点。なが。ちょうてん。
ながめ【眺め】
1 見渡すこと。遠くまで見ること。また、その風景。眺望。「—のきく場所」「—が良い」 2 物思いにふけりながら見ること。和歌では多く「長雨(ながめ)」と掛けて用いる。「花の色は移りにけりないたづ...
ながめ【長雨/霖】
《「ながあめ」の音変化》長く降りつづく雨。和歌では多く「眺め」と掛けて用いる。「つれづれと—ふる日は青柳のいとどうき世にみだれてぞふる」〈紫式部集〉
ながめ‐くら・す【眺め暮(ら)す】
[動サ五(四)] 1 眺めながら暮らす。「山を—・す」 2 物思いにふけりながら日を過ごす。和歌では、多く長雨(ながめ)の降り暮らす意に掛けて用いる。「起きもせず寝もせで夜を明かしては春のものと...
ながめ・ふ【眺め経】
[動ハ下二]物思いに沈みながら月日を過ごす。和歌では多く「長雨(ながめ)降る」と掛けて用いる。「我が宿の嘆きの下葉色ふかく移ろひにけり—・ふるまに」〈かげろふ・上〉
なく‐に
[連語]《打消しの助動詞「ず」のク語法「なく」+格助詞「に」》 1 詠嘆的な打消しを表す。…ないことだなあ。「苦しくも降り来る雨か三輪の崎狭野(さの)の渡りに家もあら—」〈万・二六五〉 2 詠嘆...
なぐさ‐の‐はま【名草の浜】
和歌山市南部、紀三井(きみい)寺付近の浜。[歌枕]「海人(あま)の刈るみるめを波にまがへつつ—を尋ねわびぬる」〈新古今・恋一〉
なげき‐の‐いろ【嘆きの色】
嘆き悲しむようす。和歌では多く、「木」に掛けて用いる。「夏山の木のした露の深ければかつぞ—もえにける」〈かげろふ・下〉
なしつぼ‐の‐ごにん【梨壺の五人】
天暦5年(951)村上天皇の命により、梨壺の和歌所で後撰集を撰集し、また万葉集の訓点を施した五人の寄人(よりうど)。大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)・源順(みなもとのしたごう)・清原元輔・紀...