だいろく‐いしき【第六意識】
仏語。唯識学派で立てる八識の6番目、意識のこと。前五識が感覚知であるのに対し、分別判断の働き。
ちゅうがん‐は【中観派】
唯識派と並ぶ、インド大乗仏教の二大学派の一。竜樹の中論に基づき、空(くう)を教義の中心とする。三論宗はこれを受け継いだもの。
はっ‐しき【八識】
唯識宗で、八つの対象を認識する作用。眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識・末那(まな)識・阿頼耶(あらや)識。はちしき。
ほっそう‐しゅう【法相宗】
中国十三宗・日本南都六宗の一。瑜伽師地論(ゆがしじろん)・成唯識論(じょうゆいしきろん)などを根本典籍とし、万有は識すなわち心の働きによるものとして、存在するものの相を究明する宗派。玄奘(げんじ...
まな‐しき【末那識】
《「末那」は、梵manasの音写》仏語。唯識説でいう八識のうちの第七識。我に執着して存在の根拠となる心の働き。意識がなくなった状態にも存在し、迷いの根源とされる。
ゆい【唯】
[常用漢字] [音]ユイ(呉) イ(ヰ)(漢) [訓]ただ 〈ユイ〉ただ…だけ。「唯一・唯識・唯美・唯我独尊・唯心論・唯物論」
〈イ〉「はい」という承諾の返事。「唯唯諾諾/諾唯」
ゆいしき‐え【唯識会】
唯識論を講讃する法会。奈良の春日(かすが)神社で行われた。唯識講。
ゆいしき‐こう【唯識講】
「唯識会(ゆいしきえ)」に同じ。
ゆいしき‐は【唯識派】
中観派と並ぶインド大乗仏教の二大学派の一。現象世界を唯識説によって説明し、瑜伽行(ゆがぎょう)の実践によって認識しようとする学派。弥勒(みろく)・無着・世親らによって始められ、日本の法相(ほっそ...
ゆいしきろん【唯識論】
世親著「唯識二十論」の略。1巻。菩提(ぼだい)流支訳・真諦(しんだい)訳・玄奘訳の三つがある。現実存在を構成する諸法は実在するのではなく、識によって顕現したものにほかならないとして、唯識を説く...