かばね【屍/尸】
1 死体。また、死体の骨。しかばね。なきがら。「—を葬る」「海行かば水浸(みづ)く—」〈万・四〇九四〉 2 「尸冠(しかばねかんむり)」の異称。
し【尸】
[音]シ(呉)(漢) [訓]しかばね 1 人の死体。しかばね。「尸諫(しかん)」 2 神の身代わり。かたしろ。「尸位」
し【屍/尸】
しかばね。死体。
し‐い【尸位】
《昔、中国で祖先を祭るとき、人が仮に神の位についたところから》大した才能や徳もないのにむなしく地位に就いていること。「もし諫(いさ)むべきを見て諫めざる、これを—と謂ふ」〈太平記・五〉
しい‐そさん【尸位素餐】
《「しいそざん」とも。「漢書」朱雲伝から。「素餐」は食べるばかりで何もしないこと》一定の地位に就きながら職責を果たさず、むだに俸禄をもらっていること。また、その人。→尸位
し‐かい【尸解】
仙術によって、肉体を残したまま、魂だけ体外へ抜け出ること。「—の仙人権者の化現のようなる奇瑞(きずい)あるべき筈なし」〈露伴・新浦島〉
し‐かばね【屍/尸】
《「死にかばね」の意》 1 死んだ人のからだ。死骸。「野に—をさらす」「生ける—」 2 「尸冠(しかばねかんむり)」の略。
しかばね‐かんむり【尸冠】
漢字の冠の一。「尼」「居」「展」などの「尸」の称。
し‐かん【死諫/屍諫/尸諫】
死をもって主君に忠告すること。「腹をかっ切って—を進めるのが、臣下としての本分じゃ」〈菊池寛・忠直卿行状記〉
しし【尸子】
中国の思想書。20編であったが現存は2巻。戦国時代の思想家尸佼(しこう)著。前4世紀ごろ成立。雑家的思想書とされている。