へだ・つ【隔つ】
[動タ四]「隔たる」に同じ。「はろはろに思ほゆるかも白雲の千重(ちへ)に—・てる筑紫の国は」〈万・八六六〉
[動タ下二]「へだてる」の文語形。
ほどろ‐ほどろ
[形動ナリ]「ほどろ」を重ねて強調した語。「沫雪(あわゆき)の—に降り敷けば奈良の都し思ほゆるかも」〈万・一六三九〉
まくら‐づく【枕付く】
[枕]枕をつけて寝る意から「妻屋(つまや)」にかかる。「家に行きていかにか我(あ)がせむ—妻屋さぶしく思ほゆべしも」〈万・七九五〉
まし‐て【況して/増して】
[副] 1 前の場合でさえそうなのだから、この場合はもちろんそうだという気持ちを表す語。なおさら。いわんや。「大人でも大変なのだから、—子供には無理だ」 2 いっそう。さらに。もっと。「瓜食(は...
まよ‐びき【眉引き】
眉墨で眉をかくこと。また、かいた眉。まゆひき。「振り放(さ)けて三日月見れば一目見し人の—思ほゆるかも」〈万・九九四〉
みや‐こ【都】
《「宮(みや)処(こ)」の意》 1 皇居のある土地。「—を定める」「京の—」 2 その国の中央政府の所在地。首都。首府。また一般に、人口が多く、政治・経済・文化などの中心となる繁華な土地。都会。...
むすび‐まつ【結び松】
行路の無事を祈ったり誓いを立てたりしたしるしに、松の小枝を結ぶこと。また、その松。「磐代(いはしろ)の野中に立てる—心も解けず古(いにしへ)思ほゆ」〈万・一四四〉
ゆうかげ‐ぐさ【夕影草/夕陰草】
夕日の光の中に見える草。また、夕方、物陰に生えている草。「我がやどの—の白露の消(け)ぬがにもとな思ほゆるかも」〈万・五九四〉
ゆうなみ‐ちどり【夕波千鳥】
夕波の上を飛ぶ千鳥。「近江(あふみ)の海—汝(な)が鳴けば心もしのに古(いにし)へ思ほゆ」〈万・二六六〉
ゆた‐け・し【豊けし】
[形ク] 1 ゆったりしている。「海原の—・き見つつ葦(あし)が散る難波に年は経ぬべく思ほゆ」〈万・四三六二〉 2 盛んである。盛大である。「最勝王経、金剛般若寿命経など、いと—・き御祈りなり」...