そが‐きょうげん【曽我狂言】
曽我兄弟のあだ討ちを主題とした歌舞伎狂言。元禄期(1688〜1704)に形が整い、享保期(1716〜1736)から明治初年まで、江戸各座は吉例として初春狂言にした。→曽我物
そが‐どの【曽我殿】
《曽我兄弟が貧乏であったところから》貧乏。「あたま付きは両替町、内証は—」〈浄・女腹切〉
そが‐の‐あめ【曽我の雨】
《曽我兄弟があだ討ちをした陰暦5月28日は雨であったところから》陰暦5月28日に降る雨。
そがのたいめん【曽我の対面】
歌舞伎狂言。時代物。一幕。曽我兄弟がかたきの工藤祐経(くどうすけつね)に対面する場面。享保(1716〜1736)以後の江戸歌舞伎では、初春狂言の一番目大詰めに必ず演じられた。明治以降は河竹黙阿弥...
そがのや【曽我廼家】
日本最初の喜劇の劇団。明治37年(1904)曽我廼家五郎・十郎が創立。大阪を本拠に活動し、大阪俄(にわか)と歌舞伎とを演技の基盤とした。
そが‐は【曽我派】
日本の漢画系の画派。室町時代に曽我蛇足を始祖的な存在とする画派が現れ、安土桃山時代には曽我直庵、江戸時代には曽我蕭白の一派が活躍した。
そが‐まつり【曽我祭】
江戸の歌舞伎劇場で、曽我狂言を正月から5月まで継続興行した年に、曽我兄弟のあだ討ちのあった5月28日を中心に行った祭礼行事。文政期(1818〜1830)まで続いた。《季 夏》
そが‐もの【曽我物】
曽我兄弟の事跡を主題とした能・幸若舞(こうわかまい)・浄瑠璃・歌舞伎などの作品の総称。「元服曽我」「小袖曽我」「夜討曽我」など。→曽我狂言
そがものがたり【曽我物語】
軍記物語。12巻または10巻。作者未詳。鎌倉末期あるいは室町前期の成立か。曽我兄弟の生い立ちから、富士の狩り場で父のかたきの工藤祐経(くどうすけつね)を討つまでを描いたもの。後世の曽我物などの題...
そ・く【退く】
[動カ四]遠く離れる。遠ざかる。「雲離れ—・き居りとも我忘れめや」〈記・下・歌謡〉 [動カ下二]遠く離す。遠ざける。「赤見山草根刈り—・け合はすがへ争ふ妹(いも)しあやにかなしも」〈万・三四七九〉