たみの‐の‐しま【田蓑の島】
大阪市の淀川河口付近にあったといわれる島。堂島川の田蓑橋にその名が残る。[歌枕]「雨により—をきてみればなにはかくれぬ我が身なりけり」〈貫之集〉
た‐むだ・く【拱く】
[動カ四]《「手(た)抱(むだ)く」の意》腕を組む。「—・きて我(われ)はいまさむ」〈万・九七三〉
為(ため)に◦する
ある目的に役立てようとする下心をもって事を行う。「我輩固(もと)より—◦する所ありて私立を主張するに非ず」〈福沢・学問のすゝめ〉
た‐も・つ【保つ】
[動タ五(四)]《「手(た)持つ」の意とも、「持つ」に接頭語「た」が付いたものとも》 1 ある状態を変えないで続ける。「常時、室内は二〇度に—・たれている」 2 損なわれたり乱れたりしないように...
たゆら
[形動ナリ]語義未詳。揺れ動いて安定しないさまの意か。たよら。「筑波嶺の岩もとどろに落つる水よにも—に我が思はなくに」〈万・三三九二〉
たらち‐め【垂乳女】
《「垂乳根(たらちね)」からの類推で生じた語》生みの母。母親。「—や止まりて我を惜しまましかはるにかはる命なりせば」〈千載・哀傷〉
たらわ・す【足らはす】
[動サ四] 1 満たす。満足させる。「天地(あめつち)に—・し照りて我(わ)が大君敷きませばかも楽しき小里(をさと)」〈万・四二七二〉 2 (動詞の連用形に付いて)十分…する。やり遂げる。「霞立...
たり
[助動][たら|たり・と|たり|たる|たれ|たれ]《格助詞「と」に動詞「あり」の付いた「とあり」の音変化》体言に付く。事物の状態や性質などを強く断定する意を表す。…である。…だ。→たる →なり「...
たわ・む【撓む】
[動マ五(四)] 1 他から力を加えられて弓なりに曲がる。しなう。「実の重みで枝が—・む」 2 飽きて疲れる。心がくじける。「我が心は決して—・むことなし」〈鴎外訳・即興詩人〉 →撓(しな)う...
たわや‐め【手弱女】
《「たわや」は「撓(たわ)」に接尾語「や」の付いたもの。「手弱」は当て字》なよなよとした女性。たおやめ。「—の思ひたわみてたもとほり我(あれ)はそ恋ふる舟梶(ふねかぢ)をなみ」〈万・九三五〉