時(とき)しもあれ
ほかに時もあるのに。ふさわしい時期がほかにあるだろうに。折あしく。「例の、—雨いたく降り神いといたく鳴るを」〈かげろふ・中〉
時(とき)知(し)ら◦ず
時期をわきまえない。四季の区別もなく、年じゅう変化がない。「—◦ぬ山は富士の嶺(ね)いつとてか鹿(か)の子まだらに雪のふるらむ」〈伊勢・九〉
とき‐しらず【時知らず/時不知】
1 時期・季節を選ばないこと。また、そのような植物、キンセンカ・トキナシダイコンなどの別名。 2 (秋の漁獲期に外れていることから)春から夏にかけて、北海道沿岸で獲れる若いサケ。脂がのっていて美...
ときしり‐がお【時知り顔】
[名・形動]時節をわきまえたという顔つき。また、時を得たのを知りそれを誇るさま。時を得顔。「万(よろず)六波羅様をまねびて—なる」〈樗牛・滝口入道〉
とき・じ【時じ】
[形シク]《名詞「時」に打消しの意を添える接尾語「じ」がついて形容詞化した語》 1 その時節ではない。季節はずれである。「我がやどの—・じき藤のめづらしく今も見てしか妹が笑まひを」〈万・一六二七...
ときそば【時蕎麦】
古典落語。蕎麦の代金16文を時刻をたずねながら1文ごまかした人を見て、ある男が真似をするが、逆に多く数えて4文損をしてしまう話。 [補説]上方落語では「時うどん」の名で演じられる。
時(とき)ぞともな・し
いつという定まった時もない。いつも。年がら年じゅう。「いたづらに雲ゐる山の松の葉の—・き五月雨の空」〈玉葉集・夏〉
とき‐たま【時偶】
[副]ときどき。たまに。「—やって来る」
とき‐だいこ【時太鼓】
時刻を知らせるために打ち嗚らす太鼓。時の太鼓。
とき‐つ【時つ】
[連語]《「つ」は「の」の意の格助詞》その時期にかなった、その時にふさわしい、などの意を表す。