くし【櫛/梳】
《「串(くし)」と同語源》髪の毛をすいたり、髪に挿して飾りに使ったりする道具。黄楊(つげ)・竹・鼈甲(べっこう)・合成樹脂などで作る。「髪に—を入れる」
くしあかるたま‐の‐みこと【櫛明玉命】
日本神話の神。玉造部(たまつくりべ)の祖とされる。「古語拾遺」によれば、天照大神(あまてらすおおみかみ)の岩戸隠れのとき、八尺瓊曲玉(やさかにのまがたま)を作ったという。
くし‐うら【櫛占】
昔、婦人や子供が行った占いの一。黄楊(つげ)の櫛を持って辻に立ち、「あふことを問ふや夕げのうらまさにつげの小櫛もしるし見せなむ」という古歌を三度唱え、境をくぎって米をまき、櫛の歯を三度鳴らしたの...
くし‐おき【櫛置き】
⇒髪置き1
くし‐おさえ【櫛押(さ)え】
日本髪で、髪に挿した櫛が前に倒れないように、その前に挿し込んだ銀製の細い棒。江戸中期に流行した。
くし‐がた【櫛形】
1 櫛のように、下部が水平で上部にゆるやかな丸みをもった山形。また、そのもの。 2 茶室などの壁に設ける、山形の出入り口。 3 木材にらせん状の溝を切り込むのに用いる鉋(かんな)の一種。刃が櫛の...
くしがた‐の‐あな【櫛形の穴】
清涼殿の鬼の間の東南の隅から昼御座(ひのおまし)の西南の隅の壁にかけて、柱を中にして設けた半月形の窓。天皇が殿上の間を見るためにつくったものという。くしがた。
くしがた‐べい【櫛形塀】
櫛形の窓がついている塀。
くしがた‐まど【櫛形窓】
櫛形の窓。欄間や付(つけ)書院などに設けられる。江戸時代にはぜいたくなものとして、民家には禁止されていた。くしがた。
くしがた‐やま【櫛形山】
山梨県西部にある山。標高2052メートル。頂上にはアヤメの群生があり、アヤメ平と呼ばれる。東斜面の中腹に伊奈ヶ湖・県民の森がある。名の由来は、東方の甲府盆地から見ると山容が櫛の形をしていることから。