何(なに)と無(な)・し
1 事物の状態や雰囲気などが、それと限定されないさま。これということもない。「空のけしきの、—・くすずろにをかしきに」〈枕・五〉 2 とり立てて言うに及ばない。平凡である。「—・き御歩きももの憂...
なに‐とも【何とも】
[副] 1 (あとに打消しの語を伴って用いる) ㋐特別の感情を催さないさまを表す。別に大したものとも。物の数とも。「いにしへは—見ざりし衣裳の紋、今は目にたちて」〈曽我・三〉 ㋑行動を特定できな...
何(なに)は無(な)くとも
格別のものはなくとも。ほかのものは差し置いても。当面はそのものがあれば十分という気持ちを表す。「—米の飯だけは欠かせない」
なに‐も【何も】
[副]あとに打消しの語を伴う。 1 全面的に否定する気持ちを表す。まったく。「—知らない」 2 取り立ててそう限定する必要もないという気持ちを表す。別段。「—今日でなくともいいのに」
な‐ね【汝ね】
《本来「な」は一人称。「ね」は敬愛の意を表す》親愛の気持ちを込めて相手を呼ぶ語。「朝髪の思ひ乱れてかくばかり—が恋ふれそ夢(いめ)に見えける」〈万・七二四〉
なま‐ぐさ・い【生臭い/腥い】
[形][文]なまぐさ・し[ク] 1 生の魚や肉のにおいがする。「魚を料理して手が—・くなる」 2 気持ちの悪いにおいがする。また、血のにおいがする。「—・い風が吹く」 3 僧が戒律を守らず堕落し...
なまじ【憖】
《「なまじい」の音変化》 [形動][文][ナリ]完全ではなく中途半端であるさま。いいかげん。なまじっか。「—なことでは承知しまい」
[副] 1 無理にしようとするさま。しなければよかったのに...
なま‐なか【生中/生半】
[形動][文][ナリ]中途半端なさま。どっちつかず。なまはんか。「—な心得では太刀打ちできない」
[副]そうすることがかえって良い結果とならず、まずいという気持ちを表す。なまじっか。「けれど...
なま‐はんか【生半可】
[名・形動]十分でなく中途半端であること。いいかげんであること。また、そのさま。「—な(の)知識」「—な気持ちではだめだ」
波(なみ)にも磯(いそ)にもつかぬ心地(ここち)
どっちつかずの、落ち着かない気持ち。「なまじいに一門には離れ給ひぬ、—ぞせられける」〈平家・七〉