うき‐よ【浮(き)世/憂き世】
1 《もとは「憂き世」の意》仏教的厭世観から、いとうべき現世。つらいことの多い世の中。無常のこの世。「—をはかなむ」「散ればこそいとど桜はめでたけれ—になにか久しかるべき」〈伊勢・八二〉 2 死...
うきよ‐え【浮世絵】
江戸時代の風俗、特に遊里・遊女・役者などを描いた絵。江戸の庶民層を基盤に隆盛した。肉筆画と木版画があり、特に版画は菱川師宣(ひしかわもろのぶ)に始まり、鈴木春信らによる多色刷りの錦絵(にしきえ)...
うきよ‐おとこ【浮世男】
好色な男。「世間の色の道に立ち入る—ども」〈浮・禁短気・六〉
うきよ‐がさ【浮世笠】
江戸時代、貞享・元禄(1684〜1704)ごろ、若衆などの間にはやった当世風の笠。
うきよ‐がたり【浮世語り】
この世のつらいこと、不幸なことについて語ること。また、世間話。浮世話。「わが身の上になりぬべき、—も恥づかしや」〈謡・山姥〉
うきよ‐ぐるい【浮世狂ひ】
遊女に熱中すること。色ぐるい。「悋気(りんき)するではなけれども、—も年による」〈浄・出世景清〉
うきよ‐こうじ【浮世小路】
裏長屋など、浮世の縮図のような小路。また、世間、世の中の意にもたとえていう。→浮世小路(うきよしょうじ)「—の何軒目に狭苦しく暮らした時とは」〈漱石・草枕〉
うきよ‐ことば【浮世言葉】
近世、遊里で用いられた独特な言葉。「ざます」「ありんす」など。くるわことば。さとことば。
うきよ‐こもん【浮世小紋】
当世風の小紋。特に、江戸時代、貞享・元禄(1684〜1704)ごろに流行した型紙小紋染めの文様。
うきよ‐ごころ【浮世心】
この世に執着する心。酒色などの享楽にひかれる心。