腹(はら)悪(あ)・し
1 おこりっぽい。短気である。「大臣極めて—・しき人にて、目を嗔(いか)らかして」〈今昔・一九・九〉 2 意地悪い。腹黒い。「幼少の時よりして—・しきゑせ者の名を得候ひて」〈義経記・五〉
ひか・ゆ【控ゆ/扣ゆ】
[動ヤ下二]《「ひか(控)う」が中世以降ヤ行に転じて用いられた語。終止形は「控ゆる」となる》「控える」に同じ。「木影に—・ゆる程もなく」〈逍遥訳・自由太刀余波鋭鋒〉 「是を思ふに—・ゆれば一分弱...
ひき‐と・める【引(き)止める/引(き)留める】
[動マ下一][文]ひきと・む[マ下二] 1 引っ張ったり声をかけたりして止まらせる。「通りすがりの人を—・める」 2 立ち去ろうとする人をとどまらせる。ひきとどめる。「深夜まで客を—・める」 3...
ひ‐ぞり【干反り/乾反り】
1 乾いて、そりかえること。また、そのもの。「—のした蓋」〈二葉亭訳・めぐりあひ〉 2 すねて腹を立てること。すねて無理を言うこと。「我らは物いはず少し—姿に」〈浮・禁短気・一〉
ひとつ‐きるもの【一つ着る物】
1 1着しかない着物。一張羅。「今日を晴れと着飾りし—の上交(うはがへ)」〈浮・禁短気・六〉 2 下着をつけず、上着だけ1枚着ること。「風儀は、—つまだかに、白帯こころまま引きしめ」〈浮・一代男・一〉
ふく【福】
[名] 1 運のよいこと。幸運。幸い。しあわせ。「—を授かる」「—の神」⇔禍。 2 神仏への供え物のおさがり。また、それをいただくこと。おふく。ごふく。「このすずは鞍馬の—にて候ふぞ」〈著聞集...
ふた‐ふた
[副] 1 扇を動かしたり鳥が羽ばたいたりしたときに立てる音や、そのさまを表す語。ばたばた。「扇—とつかひ」〈枕・六三〉 2 血などが続けてしたたり落ちるさま。ぼたぼた。「よりましが懐より黒血を...
ふつつか【不束】
[形動][文][ナリ] 1 気のきかないさま。行きとどかないさま。不調法。「—な点はお許しください」 2 太くて丈夫なさま。「いと大きやかに、—に肥え給ひつるが」〈宇津保・蔵開上〉 3 太くてぶ...
ふろや‐もの【風呂屋者】
「湯女(ゆな)」に同じ。「茶屋遊びから—を勧め」〈浮・禁短気・六〉
ぶしんじゅう‐もの【不心中者】
不義理な人。不誠実な人。「わが身を—になして大臣に思ひきらせしところ」〈浮・禁短気・一〉