ほう【硼】
[音]ホウ(ハウ)(漢) 化学元素の名。硼素。「硼砂(ほうしゃ)・硼酸」
ほうか‐ぶつ【硼化物】
ホウ素と他の元素との化合物のうち、ホウ素よりも電気陰性度が小さい金属元素との化合物の総称。金属過剰なホウ化物とホウ素過剰なホウ化物に大別される。融点が高く、硬くてもろい化合物が多い。
ほう‐さん【硼酸】
硼素のオキソ酸。無色・無臭のうろこ状結晶。水溶液は弱酸性で弱い殺菌力があり、うがい・洗眼などに用いられた。ガラス・琺瑯(ほうろう)・顔料などの原料とする。化学式H3BO3 [補説]硼素の同位体10...
ほうさん‐えん【硼酸塩】
硼酸イオン(BO33−およびBO45−)の塩の総称。天然、自然ともに、水素結合で連なって縮合したものが多い。
ほうさん‐だんご【硼酸団子】
米ぬかを練ったものやジャガイモをつぶしたものなどに硼酸(ほうさん)を加えて作った団子。ゴキブリの駆除に用いる。
ほうさん‐なんこう【硼酸軟膏】
白色軟膏に硼酸の粉末を加えて作った白色ないし淡灰黄色の軟膏。やけど・ただれ・皮膚病などに用いたが、硼酸の副作用のため製造中止。
ほうさん‐めん【硼酸綿】
硼酸の水溶液をしみこませた綿。傷口の消毒などに用いた。
ほう‐しゃ【硼砂】
硼酸のナトリウム塩。塩湖の蒸発残留物中に産する。白色の柱状結晶で、単斜晶系。強熱すると溶融して、ガラス状になる。ガラス原料や釉(うわぐすり)・鑞(ろう)付け助剤などに用いる。化学式Na2B4O7...
ほうしゃきゅう‐はんのう【硼砂球反応】
硼砂の粉末を白金線につけて熱し、無色のガラス球を作り、これに金属塩を付着させて再び溶融すると、その金属特有の色が現れる反応。金属の定性分析に用いられる。
ほう‐そ【硼素】
硼素族元素の一。黒褐色の硬い固体。常温では安定で、化学的性質は珪素(けいそ)に似る。多数の同素体が知られ、天然には硼酸などとして存在する。高純度のものはp型半導体などに使用。元素記号B 原子番号...