かい‐の‐し【戒の師】
出家する人に戒律を授ける師の僧。戒師。「御—、忌むことのすぐれたるよし仏に申すにも」〈源・若菜下〉
かえさ・う【返さふ/反さふ】
[動ハ四]《動詞「かえ(返)す」の未然形に反復継続の助動詞「ふ」の付いた語》 1 裏返して見る。「針袋取り上げ前に置き—・へばおのともおのや裏も継ぎたり」〈万・四一二九〉 2 思い返す。反省する...
かえり‐もうし【返り申し】
1 使者が帰ってきて返事や報告をすること。また、その内容。復命。「長奉送使(ちゃうぶそうし)にてまかり下りて、—の暁」〈続古今・離別・詞書〉 2 神仏へ祈願のお礼参りをすること。報賽(ほうさい)...
かかり【掛(か)り/懸(か)り】
1 掛かること。ひっかかること。「エンジンの—が遅い」 2 (掛かり)物事をするのに必要な費用。入費。「—がかさむ」 3 (掛かり)囲碁で、隅に打った相手の石のしまりを妨げること。「—を打つ」→...
かき‐かえ・す【掻き返す】
[動サ四]琴爪(ことづめ)や撥(ばち)の裏で弦をはじいて鳴らす。「—・したる音(ね)の珍しく今めきて」〈源・若菜下〉
かくれ‐が【隠れ家/隠れ処】
1 人目を避けて隠れている場所。また、隠れ住む家。 2 (隠れ処)表立たない所。陰にあって見えない所。かげ。「御方は—の御後見にて」〈源・若菜下〉
かぐら‐おもて【神楽面】
神楽を奏する人。また、その人の顔。「酔ひ過ぎにたる—どもの、おのが顔をば知らで」〈源・若菜下〉
かすが‐の【春日野】
奈良市、春日山の麓一帯の野原。[歌枕]「—の飛火の野守いでてみよ今いくかありて若菜つみてむ」〈古今・春上〉
かず・く【被く】
《「潜く」と同語源。「かつぐ」とも》 [動カ四] 1 頭の上から覆う。頭に載せる。かぶる。「頭つきはいと白きに、黒き物を—・きて」〈源・手習〉 2 貴人から褒美に衣服をちょうだいする。また、そ...
かた‐さ・る【片去る】
[動ラ四] 1 片側に寄る。「ぬばたまの夜床(よとこ)—・り」〈万・四一〇一〉 2 遠慮する。「いづかたにも皆こなたの御けはひには、—・り憚(はばか)るさまにて」〈源・若菜上〉