何(なに)がさて
1 何はともあれ。とにかく。何はさておき。「馬鹿気た様なことを思って見たり、—上機嫌だったのだ」〈梶井・瀬山の話〉 2 もちろん。「『今日は一段の御機嫌でござる』『—、かやうに天下穏やかにして、...
何(なに)は無(な)くとも
格別のものはなくとも。ほかのものは差し置いても。当面はそのものがあれば十分という気持ちを表す。「—米の飯だけは欠かせない」
なに‐か【何彼】
《代名詞「なに」+代名詞「か」から》種々雑多な事物をまとめていう。あれやこれや。いろいろ。「ただ大方の御しつらひ、—のことばかりをなむ営ませ給ひける」〈源・御法〉 「—の御礼も申さっしゃれと申し...
何彼(なにか)無(な)し
《「なにがなし」とも》あれこれ迷わずにあっさり物事をするさまを表す。とやかく言わずに。とにかく。「まづ話す事もある、此の船へ、と言ふ。—に乗り移りて」〈浮・一代男・五〉
なに‐は【何は】
[連語]《代名詞「何」+係助詞「は」》何やかやは。あれやこれやは。種々のことは。多く地名「難波」に掛けて用いる。「津の国の—思はず山城のとはにあひ見むことをのみこそ」〈古今・恋四〉
何(なに)はの事(こと)
1 どんな事。何事。「—を、さる住まひにて思ひ残し言ひ残すらむ」〈かげろふ・下〉 2 あれやこれやの事。万事。「いにしへに—も変らねど涙のかかるたびはなかりき」〈後拾遺・哀傷〉
何(なに)やかや
あれやこれや。いろいろ。「—で費用がかさむ」「—と忙しい」
なま‐むつか・し【生難し】
[形シク]なんとなくめんどうである。こうるさい。「しばしは、—・しう煩はしきやうにはばからるることあれど」〈源・夕霧〉
なま‐おんな【生女】
1 未熟な女。一人前でない女。「かやうの—こそは、ものたばかりはすめれ」〈宇津保・嵯峨院〉 2 身分のいやしい女。「もしは—などして言はすることこそあれ」〈かげろふ・上〉
なま‐くねくね・し【生くねくねし】
[形シク]なんとなくひねくれている。どこかねじけている。「うるはしうもあらぬ心ばへうちまじり、—・しき事も出で来る時々あれど」〈源・紅梅〉