うき‐ね【浮き寝】
1 水鳥が水に浮いたまま寝ること。 2 人が船の中で寝ること。「波の上に—せし宵あど思(も)へか心悲しく夢(いめ)に見えつる」〈万・三六三九〉 3 心が落ち着かないで、安眠できず横になっているこ...
うき‐ひと【憂き人】
自分につらい思いをさせる人。つれない人。多く、恋人・妻などにいう。「天の戸をおしあけがたの月見れば—しもぞ恋しかりける」〈新古今・恋四〉
うき‐ふし【憂き節】
つらいこと。悲しいこと。「節」を「竹の節」に掛けていうことが多い。「世に経れば言の葉しげき呉竹(くれたけ)の—ごとに鶯(うぐひす)ぞ鳴く」〈古今・雑下〉
うきよ‐の‐ちり【浮世の塵】
この世の煩わしさや汚らしさをちりにたとえていう語。「このままにすまばすむべき山水よ—に濁らずもがな」〈新続古今・雑中〉
うけ【浮け/浮子/泛子】
《動詞「う(浮)く」(下二)の連用形から》「浮き2」に同じ。「伊勢の海に釣りする海人(あま)の—なれや心ひとつを定めかねつる」〈古今・恋一〉
うじ【宇治】
京都府南部の市。宇治川が流れ、奈良と結ぶ渡河地として早くから開けた。平安時代から貴族の別荘地で、源氏物語の舞台。宇治茶の産地。平等院・黄檗山(おうばくさん)万福寺などがある。古くは「菟道」とも...
うす‐はた【薄機/薄繒】
「薄物1」に同じ。「佐保姫の織りかけさらす—の霞たちきる春の野辺かな」〈古今六帖・五〉
うた‐ぎれ【歌切】
和歌の冊子・巻物などにある古人の名筆を、手鑑(てかがみ)にはりつけたり掛け物に仕立てたりするのに適した大きさに切り取ったもの。古今集高野切(こうやぎれ)、小野道風の本阿弥切(ほんあみぎれ)など。
うた‐くず【歌屑】
へたな和歌。「古今集の中の—とかや言ひ伝へたれど」〈徒然・一四〉
うたた【転】
[副] 1 ある状態が、どんどん進行してはなはだしくなるさま。いよいよ。ますます。転じて、そうした状態の変化を前にして心が深く感じ入るさまにいう。「—同情の念に堪えない」 2 (「うたたあり」の...