ほ‐つ‐え【上枝/秀つ枝】
《「つ」は「の」の意の格助詞》上の方の枝。⇔下枝(しずえ)。「わが園の梅の—に鶯(うぐひす)のねになきぬべき恋もするかな」〈古今・恋一〉
ほど‐な・し【程無し】
[形ク] 1 距離が小さい。また、高くない。「海も浅し山も—・しわが恋を何によそへて君に言はまし」〈拾遺・恋一〉 2 広さがない。狭い。「—・き所なれば、君もやがて聞き給ふ」〈源・若紫〉 3 時...
ほり‐う・う【掘り植う】
[動ワ下二]草木を掘り取ってきて、他の所に植える。「花の木も今は—・ゑじ春立てば移ろふ色に人ならひけり」〈古今・春下〉
ほろろ
[副]キジやヤマドリなどの鳴く声を表す語。ほろほろ。「春の野のしげき草葉の妻恋ひに飛び立つきじの—とぞ鳴く」〈古今・雑体〉
ほんか‐どり【本歌取り】
和歌・連歌などで、古歌の語句・趣向などを取り入れて作歌すること。新古今時代に盛んに行われた。藤原定家が「苦しくも降り来る雨か三輪(みわ)の崎狭野(さの)の渡りに家もあらなくに」〈万・二六五〉を本...
まかり‐もうし【罷り申し】
1 大宰府・国司などの地方官が任地に赴任するとき、参内して暇乞(いとまご)いをすること。「古き例(ためし)をたづねて、—の儀あり」〈神皇正統記・後醍醐〉 2 いとまごい。「暁出で立つとて、—しけ...
まき【巻(き)】
[名] 1 巻くこと。また、巻いた程度。「ぜんまいの—が弱い」 2 書画の巻物。また、その区分。冊子になったものの区分にもいう。「源氏物語の若菜の—を読む」 3 俳諧の付合(つけあい)を長く続...
真木(まき)立(た)つ山(やま)
杉・檜などが生い茂っている山。「さびしさはその色としもなかりけり—の秋の夕暮」〈新古今・秋上〉
まぎれ【紛れ】
1 ある事につけこんで、また、事の勢いで何かをすること。「怒った—に外の芸者を買いはしまいか」〈荷風・腕くらべ〉 2 他に入りまじって区別がつかなくなること。「山かぜに桜ふきまき乱れなむ花の—に...
枕(まくら)結(むす)・ぶ
草を結んで枕にする。旅寝する。「行末はいまいくよとか磐代(いはしろ)の岡のかやねに—・ばむ」〈新古今・羇旅〉