ゆめ‐どの【夢殿】
奈良県生駒郡斑鳩(いかるが)町にある法隆寺東院の正堂。天平11年(739)ころ行信の創建になる八角堂で、本尊の救世観音(くせかんのん)立像とともに国宝。
ゆめ‐に【夢に】
[副](あとに打消しの語を伴って)少しも。まったく。「—乱れたるところおはしまさざめれば」〈源・少女〉
夢(ゆめ)になれ夢(ゆめ)になれ
現実ではなくて夢になれの意で、凶事を吉事に変えようとするまじないの言葉。「此の事—とぞ願立てする」〈仮・竹斎・下〉
ゆめに‐も【夢にも】
[副](あとに打消しの語を伴って)少しも。いささかも。「うまくいくとは—考えていなかった」
夢(ゆめ)に夢(ゆめ)◦見(み)る
夢の中で、また夢を見る。ぼんやりしたさま、はかないさまのたとえにいう。夢のうちに夢を見る。「その句に魂の入らざれば、—◦見るに似たるべし」〈風俗文選・猿蓑序〉
夢(ゆめ)の跡(あと)
夢のように消えうせた所。現実のむなしさをいう。「夏草や兵(つはもの)どもが—」〈奥の細道〉
ゆめのあと【夢の跡】
大谷句仏の句集。昭和10年(1935)刊行。
ゆめのあとに【夢のあとに】
《原題、(フランス)Après un rêve》フォーレの歌曲。1878年頃作曲。歌曲集「三つの歌」の第1曲。歌詞はイタリアの古い詩をフランスの詩人R=ビュシーヌがフランス語に訳したもの。
ゆめ‐の‐うきはし【夢の浮橋】
夢の中のあやうい通い路。また、はかないものの意。「春の夜の—とだえして峰にわかるる横雲の空」〈新古今・春上〉 源氏物語第54巻(最終巻)の巻名。薫大将、28歳。出家した浮舟の行方を薫が確かめ...
ゆめのかべ【夢の壁】
加藤幸子の小説。終戦前後の北京(ペキン)で幼少期を過ごした日本人少女と、戦争で母親を亡くした中国人少年との心の交流を描く。昭和57年(1982)発表。同年、第88回芥川賞受賞。