おん‐とく【恩徳】
《「おんどく」とも》 1 恵み。情け。恩恵。「母の御—七生(しちしゃう)むまれかはりても報じがたく存ずる折節」〈浄・嫗山姥〉 2 仏語。三徳の一。仏が世の人を救おうとしてたれる恵みの徳。
おんな‐もじ【女文字】
1 「女手(おんなで)2」に同じ。→男文字 2 「女手3」に同じ。→男文字「是は流れの—。情け色めくいろは仮名」〈浄・賀古教信〉
恩(おん)の主(しゅ)より情(なさ)けの主(しゅ)
恩を受けた人よりも情けを受けた人のほうをありがたく思うものである。人は情に感ずるものであるということ。
恩(おん)の腹(はら)は切(き)らねど情(なさけ)の腹(はら)は切(き)る
受けた恩に報いるために命を捨てる者は少ないが、義理人情のために命を捨てる者は多い。恩の死にはせねども情けの死にはする。
おん‐めい【恩命】
情けあるご命令。恵み深いお言葉。
かえり‐み【顧み】
1 振り返って見ること。「万度(よろづたび)—しつつはろはろに別れし来れば」〈万・四四〇八〉 2 過去を振り返ること。「いと心澄めるやうにて、世に—すべくも思へらず」〈源・帚木〉 3 気に掛ける...
かし‐ぐら【河岸蔵/河岸倉】
河岸に建っている倉庫。「色の湊(みなと)に情けの—」〈人・梅児誉美・三〉
かたじけ‐なみだ【忝涙】
《「かたじけなし」の「なし」を「なみだ」に掛けた語》かたじけなく思い流す涙。ありがた涙。「情けにお庄が—」〈浄・歌祭文〉
かれん‐ちゅうきゅう【苛斂誅求】
《「誅」は責める意》情け容赦もなく、税金などを取り立てること。「—を事とせぬ政治家の皆無だった当時」〈中島敦・弟子〉
かん‐じん【寛仁】
[名・形動]心が広く、情け深いこと。また、そのさま。かんにん。「—な人」