こっ‐ち【此方】
《「こち」の音変化》 [代] 1 近称の指示代名詞。聞き手よりも話し手の方に近い場所やそこにある物、または、その方向をさす。「—の水は甘いぞ」「—が大きい」「足音が—へ近づいてくる」 2 一人...
こ‐な‐た【此方】
[代] 1 近称の指示代名詞。ある地点より話者のいる地点に近い場所・方向などを示す。こちら。こっち。「山の—」「静に—を振り向いて」〈二葉亭訳・あひゞき〉 「—へ給はらん」〈平家・一一〉 2 二...
こなた‐かなた【此方彼方】
[代]指示代名詞。 1 こちらとあちら。「白雲の—に立ちわかれ心を幣(ぬさ)とくだく旅かな」〈古今・離別〉 2 あちらこちら。「み山路やゆふこえくれば里みえて—に煙たつなり」〈新続古今・羇旅〉
これ【此れ/是/之/維/惟】
[代] 1 近称の指示代名詞。 ㋐話し手が持っている物、または、話し手のそばにある物をさす。このもの。「—は父の形見の品です」「—を片付けてください」 ㋑話し手が、いま話題にしたばかりの事物など...
これ‐かれ【此れ彼/是彼】
[代] 1 指示代名詞。この物とあの物。これとあれ。「—、得たるところ得ぬところ、たがひになむある」〈古今・仮名序〉 2 人代名詞。この人とあの人。だれかれ。「—にも口入(くちいれ)させず」〈源...
これ‐ら【此れ等/是等】
[代]近称の指示代名詞。 1 「これ」の複数形。 ㋐話し手の側に属する事物についていう。「今ここに—の問題がある」「—は私の収集品です」 ㋑この人たち。「—には劣りなる白銀(しろがね)の箔を」〈...
し【其/汝】
[代]《格助詞「が」を伴って「しが」の形で用いられる》 1 中称の指示代名詞。それ。「烏草樹(さしぶ)の木—が下に生ひだてる葉広斎(ゆ)つ真椿」〈記・下・歌謡〉 2 二人称の人代名詞。おまえ。「...
し‐か【然/爾】
《指示代名詞「し」+接尾語「か」から》 [副]そのように。さように。「あいなかりける心くらべどもかな、我は—隔つる心もなかりき」〈源・夕顔〉 「生あるもの、死の近き事を知らざる事、牛、既に—な...
しき
[副助](指示代名詞「これ」「それ」「あれ」に付いて)程度を表すが、軽視する気持ちが加わる。たかが…くらい。「これ—の寒さで弱音を吐くな」「あれ—の力では何もできない」 [補説]名詞「しき(式)...
そ【其/夫】
[代] 1 中称の指示代名詞。それ。「受付は—を受け取り」〈独歩・牛肉と馬鈴薯〉 「妹が門(かど)行き過ぎかねつひさかたの雨も降らぬか—をよしにせむ」〈万・二六八五〉 2 三人称の人代名詞。その...