いせものがたり【伊勢物語】
平安時代の歌物語。作者・成立年未詳。多く「むかし、男(ありけり)」の冒頭句をもつ125段から成り、在原業平(ありわらのなりひら)と思われる男の生涯を恋愛を中心として描く。在五が物語。在中将。在五...
イソホものがたり【伊曽保物語】
《原題Esopo no Fabulas》「イソップ物語」をポルトガル語から室町末期の口語に訳し、ローマ字で表記、刊行した本。70話。宣教師ハビアン訳。文禄2年(1593)、天草で出版。天草本伊...
いちごんほうだん【一言芳談】
鎌倉時代の法語集。作者未詳。法然など浄土宗高僧の格言・短文を集めたもの。
いちじょうせっしょうぎょしゅう【一条摂政御集】
藤原伊尹の私家集。194首を収める。成立年、自撰・他撰の別は未詳。冒頭41首は下級官人を主人公とする恋物語風のまとまりになっており、この部分は晩年の伊尹の自撰である可能性が高いとされる。
いと‐ゆう【糸遊】
1 陽炎(かげろう)。《季 春》「—に結びつきたる煙かな/芭蕉」 2 「糸遊結び」の略。「—などの末濃の御几帳」〈栄花・音楽〉 [補説](1)語源未詳で、歴史的仮名遣いを「いとゆふ」とするのは、...
いなのめ‐の
[枕]語義未詳。「明く」にかかる。「—明けさりにけり」〈万・二〇二二〉
いなばどうえんぎ【因幡堂縁起】
鎌倉後期の絵巻。作者未詳。因幡の国司橘行平が夢のお告げで海中から引き上げた薬師如来像を本尊として因幡堂を創立した由来を描いたもの。
いな‐むしろ【稲筵】
[名] 1 稲のわらで編んだむしろ。「秋の田のかりねの床の—月宿れどもしける露かな」〈新古今・秋上〉 2 稲が実って倒れ伏したようす。また、そのように乱れたもののたとえ。「夕露の玉しく小田の—...
いまかがみ【今鏡】
平安末期の歴史物語。10巻。作者未詳。嘉応2年(1170)あるいはそれ以降に成立。大鏡のあとをうけ、後一条天皇の万寿2年(1025)から高倉天皇の嘉応2年までの歴史を紀伝体に記す。四鏡の一。小鏡...
いやよつぎ【弥世継】
平安末期の歴史物語。2巻。藤原隆信著。成立年未詳。今鏡と増鏡の中間の時代を扱ったものとされるが、現存していない。