もの‐の‐ふし【物の節】
近衛府の舎人(とねり)で、特に雅楽に長じた者。春日祭・賀茂祭などに奉仕した。「—ら、ひきて参りたり」〈宇津保・祭の使〉
もの‐の‐べ【物部】
律令制で、囚獄司・衛門府・市司(いちのつかさ)に所属し、刑罰の執行などに当たった下級職員。
もののべ【物部】
上代の氏族の一。姓(かばね)は連(むらじ)で、大伴氏とともに大和朝廷の軍事・警察をつかさどった大豪族。6世紀後半、仏教受容をめぐって蘇我氏と対立し、守屋が蘇我馬子と戦って敗死、一時衰えたが、奈良...
もののべ‐じんじゃ【物部神社】
島根県大田市にある神社。祭神は物部氏の祖とされる宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)。石見(いわみ)国一の宮。
もの‐の‐ほん【物の本】
1 その方面についての事柄が書かれている本。「—によると」 2 本の総称。書物。「東京の—など書く人達は」〈左千夫・隣の嫁〉 3 江戸中期以後、物語類の書物をいう。 4 学問的な内容の書物。草紙...
もののほんしつについて【物の本質について】
《原題、(ラテン)De Rerum Natura》ローマの哲学詩人ルクレティウスによる教訓詩。紀元前1世紀頃の作。エピクロス派の原子論、唯物論に基づく世界観を叙述した哲学的長詩。
もの‐の‐まぎれ【物の紛れ】
1 物事の忙しさなどにとりまぎれること。「—につい忘れてしまった」 2 人目に隠れてひそかに事を行うこと。特に、男女の密会をそれとなくいう。「猶折々の—ぞ、いと心づきなうおはしける」〈栄花・初花〉
もの‐の‐みごと【物の見事】
(副詞的に用いて)きわめてあざやかに行われるさま。たいそう見事なさま。「予想が—に的中する」「—に失敗した」
もの‐の‐め【物の芽】
萌え出るいろいろの植物の芽。《季 春》「—のあらはれ出でし大事かな/虚子」
もの‐の‐よう【物の用】
なんらかの役。「—にも立たない男」