いわの‐ほうめい【岩野泡鳴】
[1873〜1920]小説家・評論家・詩人。兵庫の生まれ。本名、美衛(よしえ)。自然主義作家の一人。一元描写を唱えた。小説「耽溺」「放浪」「断橋」、評論「神秘的半獣主義」、詩集「悲恋悲歌」「闇の...
きたはら‐はくしゅう【北原白秋】
[1885〜1942]詩人・歌人。福岡の生まれ。本名、隆吉。与謝野鉄幹の門人となり、「明星」「スバル」に作品を発表。のち、木下杢太郎(きのしたもくたろう)らと耽美派文学の拠点となる「パンの会」を...
ソログープ【Fyodor Kuz'mich Sologub】
[1863〜1927]ロシアの小説家・詩人。前期象徴派の代表者。幻想的・耽美(たんび)的作品を残した。小説「小悪魔」、戯曲「死の勝利」、詩集「碧い空」など。
たにざき‐じゅんいちろう【谷崎潤一郎】
[1886〜1965]小説家。東京の生まれ。精二の兄。第二次「新思潮」同人。「刺青(しせい)」などで永井荷風に認められ、耽美的作風に新しい境地を開く。関西移住後は、古典的な日本美に傾倒し、独自の...
ダヌンツィオ【Gabriele D'Annunzio】
[1863〜1938]イタリアの詩人・小説家・劇作家。耽美派の代表者。官能性とモラルとの葛藤(かっとう)を英雄主義により克服しようとした。第一次大戦後、国家主義運動に参加。詩集「アルチヨーネ」、...
ながい‐かふう【永井荷風】
[1879〜1959]小説家。東京の生まれ。本名、壮吉。広津柳浪に師事、ゾラの影響を受けて「地獄の花」を発表。アメリカ・フランス遊学後、「あめりか物語」「ふらんす物語」や「すみだ川」などを執筆、...
ビアズリー【Aubrey Vincent Beardsley】
[1872〜1898]英国の画家。黒白の対比と流麗な描線で幻想と現実とが交錯した挿絵を描き、英国の世紀末耽美(たんび)主義を代表する人物とされる。挿絵「サロメ」など。
ビスコンティ【Luchino Visconti】
[1906〜1976]イタリアの映画監督・舞台演出家。ミラノの貴族出身。ネオレアリズモから出発し、のち没落貴族の心象を投影した重厚で耽美(たんび)的な世界を描いた。作「夏の嵐」「ベニスに死す」など。
ポー【Edgar Allan Poe】
[1809〜1849]米国の詩人・小説家。音楽的諧調を重視した耽美的な詩は、純粋詩の詩論とともに象徴派などに大きな影響を与えた。また、怪奇的、幻想的な短編小説を発表し、推理小説の開拓者ともされる...
モロー【Gustave Moreau】
[1826〜1898]フランスの画家。神話や聖書に想を得た象徴的、耽美(たんび)的な世界を描いた。門人にルオー・マチスらがいる。