という/といった/との の解説 - 小学館 類語例解辞典

という/といった/との の共通する意味

同格・内容説明を表わす。

という/といった/との の使い方

という
▽結婚という最も決断を必要とする問題 ▽今度の決定に賛成できないという人は遠慮なく言ってほしい ▽彼の奇行には近所の人も迷惑しているという噂(うわさ)だ ▽地質調査にはクリノメーターとかいう器械が必要だそうだ
といった
▽(1)傷害保険、養老保険といった保険 ▽(2)喜びを隠しきれないとでもいった表情で出迎えた
との
▽先生方からクラス会に喜んで参加したいとの御返事をいただいた ▽彼女は運動神経抜群で頭もよいとの評判だ

という/といった/との の使い分け

三語のうちでは、「という」の使用範囲が最も広い。名づけ、言い換え、婉曲(えんきょく)、伝聞、引用、未知(よく知らない事物を取り上げる)、感嘆(事物がプラスの意味でもマイナスの意味でも並はずれた状態であることを強調する)などを表わす。
「といった」は、「という」の用法のそれぞれについて、種類・例示の意をつけ加える。たとえば、表例(1)では、「という」を使った場合、「製造を中止せよ」が「命令」のすべてだと考えられる。ところが「といった」を使うと、命令はほかにもあったがそのうちの一つを例として出すと「製造を中止せよ」であった、または、文字通り「製造を中止せよ」と命令を受けたわけではないが、命令の意図を要約すればそうなる、というニュアンスを感じさせる。そのため、「といった」の例文(1)のように、複数の種類を並べてかつそれだけに限らないことを言外に含める形で用いられることも多い。これは、「など(の)」に近い用法である。
「という」「といった」には、感嘆の用法が発展したものとして、数詞について強調する用法がある。予想をはるかに上回ったり下回ったりした数を受けて、…にも及ぶ程度の、…にしか過ぎない程度の、という意味を表わす。「今この瞬間にも何千といった生命が失われているのだ!(「何千もの」と言い換えられる)」「一〇〇分の一ミリというミクロの世界」
「との」は「という」の用法のうち、伝聞と引用にしか使えない。硬い文体で使われることが多く、「との」の後には「返事」「噂」「評判」「評価」「意向」「意見」「考え」「命令」「注意」「報告」のような名詞が現れやすい。

という/といった/との の類語対比表

①製造を中止せよ…命令五〇〇名中一番…成績定額貯金…貯蓄山田さん…方
という
といった
との