が/けれども/のに/ても の解説 - 小学館 類語例解辞典

が/けれども/のに/ても の共通する意味

逆接を表わす。

が/けれども/のに/ても の使い方

▽(1)雨が降ってきましたが、試合は続行します ▽(2)天気はよいが、風が冷たい ▽(3)ここだけの話だが、彼は秋に結婚するそうだよ
けれども
▽(1)今日は朝早く家を出たけれども、遅刻してしまった ▽(2)あの選手は打率はよいけれども、打点が少ない ▽(3)伊藤と申しますけれども、先生はご在宅でしょうか
のに
▽もう三月だというのに、今日は雪が降った ▽父は大晦日(おおみそか)には帰ると言ったのに、年が明けても帰って来なかった
ても
▽(1)四月になっても、朝はまだ冷える ▽(2)たとえ彼が来なくても、私は行きます ▽(3)この地方は、冬になっても暖かい ▽(4)私は、酒は飲んでもタバコは吸わない

が/けれども/のに/ても の使い分け

いずれの語も逆接、すなわち後件が前件の内容から予想される結果とは反対の内容であることを表わす接続助詞である。
「が」は、一般にもっぱら逆接を表わす接続助詞のように思われがちであるが、接続助詞の「が」は格助詞の「が」から発達したもので、本来は順接とか逆接には関わりのない接続関係を表わす。したがって、現代語でも逆接の確定条件(例文(1))のように、前件と後件が特別な因果関係にあることを表わす用法だけではなく、前件と後件とを対比・対照させていることを表わす用法(対比・対照。例文(2))や、後件の断り書きのように前件を提示して後件に接続させる用法(単純接続。例文(3))などがある。そのほかにも、「顔もいい性格もいい」のような順接の並列や、「課長でしたらもう帰りました」のような終助詞的な用法もある。
「けれども」は、「が」と用法上の違いはなく、ほとんどの場合言い換えが可能である(例文(1)(2)(3)、と用法の対応は「が」に同じ)。話し言葉で「けれども」を用いるほうが丁寧な感じを与えるという程度に過ぎない。一方、文章語としては「けれども」よりも「が」を用いることが多い。なお、「けれども」は「けれど」「けども」「けど」の形でも用いられるが、この順で丁寧さが薄れ、特に後の二つはくだけた話し言葉でしか用いられない。
「のに」は、確定条件にのみ用いられ、「が」「けれども」のような対比・対照や単純接続の用法はない。また、同じ確定条件を表わしても、「が」や「けれども」が単に事実関係を表現しているのに対して、「のに」の場合は情意的な性格が強く、その結果を話し手が意外に思ったり、不満に思っているといった意味合いが強く感じられる。
「ても」は、確定条件(例文(1))だけではなく、「が」「けれども」「のに」にはない仮定条件(例文(2))や恒常条件(例文(3))を表わす用法がある。ほかに対比(例文(4))の用法もあるが、「が」を用いた対比(「酒は飲むタバコは吸わない」)が事実だけを述べているのにくらべると、「ても」を用いた場合には、話し手の何らかの主観(例文(4)でいえば、タバコに対する否定的な価値判断)を伴っている点で異なっている。また、「飲んでも」のように、ガ・ナ・バ・マ行の五段活用動詞につくときは「でも」となる。

が/けれども/のに/ても の関連語

ながら
前件と後件が矛盾する内容にあることを表わす。「彼は口ではすぐやると言っておきながら、なかなか腰を上げようとしない」
とも
「ても」の文章語。「鶏口となるとも牛後となるなかれ」
たって
「ても」の話し言葉。「たとえ雨が降ったって行きます」

が/けれども/のに/ても の類語対比表

よく読ん(だ)…分からない失礼です…山田さんですかもし雨が降る(降っ)…試合は行う
けれども
のに
ても読んでも○(降っ)○

が/けれども/のに/ても の類語 - 日本語ワードネット

けれども の類語

それに反して; 他方では の意

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