イオンでんどう【イオン伝導】
正または負イオンの移動による電気伝導。電解質溶液、融解塩、イオン化ガスなどで生じる。→電子伝導 →混合伝導
イオンでんりゅう【イオン電流】
運搬電流の一。イオンの運動によって生じる電流。電解質溶液、溶融塩のイオン、イオン化したガスなどに見られる。
イオンはんけい【イオン半径】
イオンを球と考えたときの半径。イオン結晶中での隣接イオン間の距離から割り出した値がふつう用いられる。
イオンビーム【ion beam】
原子から取り出したイオンを高速加速して得られる光線状の流れ。固体に当てると内部にイオンがもぐりこむのを利用して、半導体への不純物注入や集積回路の作製、金属の表面加工などに用いられる。
イオンポンプ【ion pump】
生体膜にあってイオンの能動輸送を行う機構。細胞内にカリウムイオンを汲み入れナトリウムイオンを汲み出すなど。作用をポンプにたとえていう。
イオンゆそう【イオン輸送】
生体膜を横断して選択的にイオンが移動すること。能動輸送と受動輸送がある。
イオンエンジン【ion engine】
電気的なエネルギーを利用して推力を得るロケットエンジンの一。キセノンや水銀などをイオン化し、強い電場により加速して噴出することで推進する。推力そのものは小さいが長時間の加速に向くため、人工衛星の姿勢制御や惑星探査機の主推進装置に利用される。計4基のイオンエンジンを搭載した日本の小惑星探査機はやぶさが、のべ4万時間に渡る運用を経て小惑星イトカワへの往復に成功し、その耐久性と信頼性の高さが実証された。
イオンぶんきょく【イオン分極】
電界の作用を受けて、イオン結晶内の正負イオン(塩化ナトリウムならば、Na+、Cl−)の位置が変位することで生じる誘電分極。特に電子の移動に伴う電子分極に対していう。
イオンレーザー【ion laser】
誘導放出を起こす媒体としてイオン化した気体を用いるレーザー。気体レーザーの一種。アルゴンレーザー、クリプトンレーザーなどがある。
イオンげん【イオン源】
イオンを発生する装置、部分。質量分析器や粒子加速器などで用いられる。