・・・これは日本映画の将来の改善のために根本的な問題を提供するものだと思われる。 二 実写映画に関する希望 せんだって「北進日本」という実写映画を見た。いろいろな点でなかなかよくできているおもしろい映画であると思われた。た・・・ 寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
・・・「文学も他の芸術も、社会人間の経済状態の改善に直接何かの貢献をするものでなければならない」というような考えや、また反対に「文学その他の芸術は芸術のための芸術でなければならない」といったような考えや、そういう二つの考え方の間に行なわれる討・・・ 寺田寅彦 「科学と文学」
・・・それには問題のつり橋のどの鋼索のどのへんが第一に切れて、それから、どういう順序で他の部分が破壊したかという事故の物的経過を災害の現場について詳しく調べ、その結果を参考して次の設計の改善に資するのが何よりもいちばんたいせつなことではないかと思・・・ 寺田寅彦 「災難雑考」
・・・いろいろの効果を正確に観察し、それを忠実に記録し、そうしてその結果を分析し帰納し、それから、もしできるなら、市民交通を支配する方則のようなものを抽出し、それから演繹される各種の命題を将来の市電経営法の改善に応用したいように思う。 市電争・・・ 寺田寅彦 「破片」
・・・多くの人々が、この問題の本質上、今日ではもう個人的解決の時期を全くすぎていて、これは人民的規模において、男女共通に、共通の方法に参加して、各種の管理委員会をこしらえて、自主的な圧力で改善してゆくことに決心したら、どんなに早く、解決の緒につく・・・ 宮本百合子 「合図の旗」
・・・若い男や女の勤労者が、真に健康に、立派に階級の前衛として育つために、ソヴェト同盟では、男女青年労働者の待遇の徹底的改善を決定したのである。 その教室を出て、もう一つの教室へ行くと、そこでは若い生徒ではない、もう四十五十の小父さん小母さん・・・ 宮本百合子 「明るい工場」
・・・ここでは服従すべきものとして人民全体が扱われていたから、昔から男性に服従すべきものとして考えられていた婦人の社会的地位の改善などということはまったく眼の中に入れられていなかった。今度改正された憲法は、その中に、すべての人民は法律の前に平等で・・・ 宮本百合子 「明日をつくる力」
・・・ プロレタリア革命の勝利は、ソヴェト市民、あらゆる働く男女と子供との些細な日常生活までを、どんな驚歎すべき現実的な力で、改善したか。そのことについてハッキリ理解しているだろうか? ソヴェト同盟が経つつある道は、ひとの道ではない。我等の道・・・ 宮本百合子 「若者の言葉(『新しきシベリアを横切る』)」
・・・ 明日の農村の希望はまた生活の習慣や衛生条件の改善にある。共同炊事や托児所や診療施設など。若い農村の女性こそ青年たちと力を合わせ、新しい農村は生活を建設してゆく輝きでなければならないと思う。・・・ 宮本百合子 「新しき大地」
・・・非常な不健康や欠乏は、一時も早く改善され、互に、終局の目標に進めることが大切である。 広くもない地球の上で、幾千万と云う人間が、飢え渇え、獣物にまで成り下っている有様は、万の王宮を以て償えないディスグレースではないだろうか。〔一九二二年・・・ 宮本百合子 「アワァビット」
出典:青空文庫