・・・社会生活の質が変って来ていることから読者大衆と作家との関係が、従前のロシアのように、また現に他の諸国の事情がそうであるように、文化的水準で隔離されたものでなくなって来て、狭義での批評家の批評と作家とのいきさつが今日では変化していることなどが・・・ 宮本百合子 「近頃の話題」
・・・ 日本プロレタリア作家同盟の書記長、コップ中央協議員等という忙しい仕事を熱心に果しながら、寸暇をおしんで作品をつくった。 同志小林が書記長に選出された頃、どんなことをしても一日に二枚は小説を書いているのだと話した。 去年四月・・・ 宮本百合子 「同志小林多喜二の業績」
・・・中央協議会の責務の一つであると信じる。プロレタリア文化・文学運動の今後の正しい発展は、栄誉ある前衛、同志小林の業績のまじめな評価とその成果のボルシェヴィキ的摂取なしには全くあり得ないからである。 同志小林多喜二が、日本においてたぐいまれ・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・去年の第三回大会に文学サークル協議会の報告は、詩と小説の面でこの点にふれていました。国鉄の雑誌や労働新聞に集る沢山の応募原稿の選をした方々にもこれはよく分っています。 働く人々が文学作品を読み、味わい、批評するその過程に、いわゆる文学を・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
・・・オリンピック村の建物は競技がすんだ後も残るから、それを下附すればアパートメントとして収入を得られる。だから、それで償いは十分につく、という説の上に立てられた計画であるらしい。話したひとは、眉のところに独特の表情を泛べて口元を曲げながら、でも・・・ 宮本百合子 「日本の秋色」
・・・ きょうの新聞は、内閣情報部で第二回準備委員会をひらき、具体案は民間六人、官庁三人の小委員会の協議にゆだねられることになったと報じている。 先頃朝日に出された記事は、現代の読書するかぎりの日本人の脳裏に深く刻みつけられるものであった・・・ 宮本百合子 「日本文化のために」
・・・十二月〔中旬〕、全日本無産者芸術団体協議会作家同盟に加盟した。平凡社から『宇野千代集』と合冊で『中條百合子集』が出版された。一九三一年「三月八日は女の日だ」「スモーリヌイに翻る赤旗」「ソヴェト五ヵ年計画と芸術」そ・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・そこへこのたび近代思想社から文芸評論集編纂の話が出て、解放社の『歌声よ おこれ』は同社と協議の上絶版として、その主要な部分がこちらに再録されることになった。 つけ加えられた「一九四七年の文壇」以下はわたしたちは外国文学を自分たちの人生と・・・ 宮本百合子 「はしがき(『文芸評論集』)」
・・・中国・朝鮮の婦女連盟、英国の主婦連盟、日本の民主婦人協議会などは、それぞれの地域の具体的な条件にたって平和と人民生活の擁護のために奮闘しはじめた。青年の国際組織もつくられた。こんにちすでに十数億の人民が平和と原子兵器禁止のために結集している・・・ 宮本百合子 「婦人作家」
・・・にきめようとして新聞の世論調査を動員し、旧式な反民主的な婦人運動者たちまでを動員した政府は、世界平和大会やアジア婦人大会への代表の旅券は与えないで、おかいどりを着た田中絹代のために許可を与えたり、陸上競技の宮下美代子の国際オリンピック出場ま・・・ 宮本百合子 「婦人デーとひな祭」
出典:青空文庫