・・・こういうことを考えついたり、貴族院議員をやめたり、兄が兄がと亢奮して気の毒である。〔一九三七年七月〕 宮本百合子 「雨の小やみ」
・・・高野岩三郎氏が死去されたのちNHKの会長となった古垣鉄郎氏は、英語もフランス語も達者であろうし、行儀がいいことが必要な時と場合の分別もあり、貴族院議員だったし、文化人であろうけれども、NHKは、新会長によって会長流民主化におかれざるを得ない・・・ 宮本百合子 「「委員会」のうつりかわり」
・・・その政党の議員の或るものはタフト・ハートレー法を通過させ、黒人に市民権を与えることについて反対しつつあるその民主党選出の大統領となるためには、トルーマンもウォーレスが正当に主張した、人民の意志を代表する民主的綱領にいくらか近づかなければなら・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・それでもとうとう巴里で議員に挙げられるまで漕ぎ付けた。大した学者ではない。スチルネルと同じように、Hegel を本尊にしてはいるが、ヘエゲルの本を本当に読んだのではないと、後で自分で白状している。スチルネルが鋭い論理で、独創の議論をしたのと・・・ 森鴎外 「食堂」
出典:青空文庫