・・・「こじつけるねえ、酷いねえ。」「何のこじつけなもんですか。ほんとうですわねえ。ミリヤアドさん。」 ミリヤアドは莞爾として、「どうですか。ほほほ。」「あら、片贔屓を遊ばしてからに。」 と高津はわざとらしく怨じ顔なり。・・・ 泉鏡花 「誓之巻」
・・・どういう風にこじつけるかが問題であります。それが旨く行けば聴かれそうな演説である。巧く行かなければそれだけの話である。まあどういう風に片付けるかという御手際の善悪などはどうでも宜いのですから。 人間という者は大変大きなものである。私なら・・・ 夏目漱石 「模倣と独立」
・・・ 投書に答えたことばじりをとらえて、私が文化反動との闘争をそらそうとでもしているかのようにこじつける河上氏の眼界はあんまり小さい。これまで文化反動に対して私がいろんな場面でどのようにたたかってきているか、また現在小説・評論などによってど・・・ 宮本百合子 「河上氏に答える」
出典:青空文庫