・・・ 国会解散がいい出されているきょう、社会党につないでいた一般の期待が一つ一つと失われてゆくような事件があばかれることは、結局誰にとって有利なことであろうか。社会党はきわめて少数の人をのぞいて、政権をとるためには特権階級の利益をまもること・・・ 宮本百合子 「便乗の図絵」
・・・裏に、文学報国会と紫のゴム印が捺されてある。封筒の中にはひろ子の小説をうつした原稿が入っていた。 見つかった書類と一緒に、ひろ子はその封筒をもち出した。そして、重吉の仕事が一段落ついたとき、「こういうものが出たわ」 その封筒を見・・・ 宮本百合子 「風知草」
・・・思潮がそれぞれの作用をのこして過ぎたが、真に当時の社会的欲求と全面的に結びつき、それを反映しつつ民衆の生活感情にまで浸透して指導的な役割を果したブルジョア文学の時代と云えば、日本では恐らく明治初年から国会開設まで二十数年間の所謂開化期の文学・・・ 宮本百合子 「文学における今日の日本的なるもの」
・・・そのたびに当選の確実性がとりあげられ、体がわるければねていてもいいし、活動もほどほどでよいからと言われますが、国会およびすべての部署で働いている党員の経験からそのようなことが不可能であることは十分わかってきていると思います。もしわたしに大衆・・・ 宮本百合子 「文学について」
・・・だが、反対にその一方のいい分をきいて見ろ、こんどは、正しいはずだった方が、ちり骨灰だ! 一体、じゃどっちが正しいプロレタリア芸術創造に向っているのだ? 「客観的事実」によってわれわれに見せてくれ、と。―― 読者よ。 今こそ、その時が・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・対日理事会でも、この点はつよく指摘されている。国会で隠退蔵物資特別調査委員会が出来たことは、政府も権力をもちつづけようとするためには、安定本部の理論数字で現実はごまかしきれないことを認めて来た証拠である。 この「昭和二十三年の勤労者の家・・・ 宮本百合子 「ほうき一本」
出典:青空文庫