このえのぶただ【近衛信尹】
[1565〜1614]安土桃山時代の公卿。前久 (さきひさ) の子。初名、信基、のち信輔。号、三藐院 (さんみゃくいん) 。書にすぐれ、その書風は近衛流とよばれる。寛永の三筆の一人。日記「三藐院記」がある。
このえのみかど【近衛の御門】
陽明門の異称。
このえひでまろ【近衛秀麿】
[1898〜1973]指揮者・作曲家。東京の生まれ。篤麿の子、文麿の弟。芸術院会員。山田耕筰とともに日本交響楽協会を創立、のち新交響楽団(現NHK交響楽団)を結成。日本の交響楽団の育成に努める。作曲に「ちんちん千鳥」など。
このえふ【近衛府】
律令制の官司の一。令外 (りょうげ) の官。天平神護元年(765)授刀衛を近衛府と改称、さらに大同2年(807)近衛府を左近衛府、中衛府を右近衛府とした。兵仗 (ひょうじょう) を帯びて宮中を警護し、朝儀に参列して威儀をととのえ、行幸に供奉した。四等官 (しとうかん) のほか、府生 (ふしょう) ・番長などの職員がいた。近衛。親衛。羽林。このえづかさ。このえのつかさ。こんえふ。ちかきまもりのつかさ。
このえふみまろ【近衛文麿】
[1891〜1945]政治家。東京の生まれ。篤麿 (あつまろ) の長男。昭和12年(1937)内閣を組織し日中戦争に突入。第三次内閣では東条英機陸相の対米主戦論を抑えきれず総辞職。戦後、戦犯に指名され、服毒自殺。 杉森久英によるの評伝。昭和61年(1986)刊行。翌昭和62年(1987)、第41回毎日出版文化賞受賞。
このえへい【近衛兵】
宮中の警固、天皇の輿 (こし) の警備などにあたった天皇の親兵。明治以降は、近衛師団所属の兵。
このえぼたん【近衛牡丹】
近衛家の家紋。牡丹 (ぼたん) の花と葉を取り合わせたもの。
このえもん【近衛門】
陽明門の異称。
このえりゅう【近衛流】
慶長(1596〜1615)のころ、近衛信尹 (このえのぶただ) に始まる和様書道の一流派。書風は力強く豪快。三藐院 (さんみゃくいん) 流。
このえれんたい【近衛連隊】
旧日本陸軍で、皇居の守衛、儀仗 (ぎじょう) のために明治7年(1874)に設置した連隊。