・・・ 自由 進歩 社会 協同 共産 諸派 無所属社長重役 五七名 二九名 六名 三名 ― 一三名 一〇名弁護士 一七名 九名 一九名 ― ― 一名 三名会社員 三名 三名 ・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・そこで、もう一人の専務が羽織を一着に及んだ乾分をO・T社長宅へやった。行った人間は、白鞘をすこしのぞかせたそうだ。裁判は急転直下、有利に解決し、今度は乾分をやった方の男が音頭をとって経営しはじめたが、この男は満州へばかり度々出かけるし、濫費・・・ 宮本百合子 「くちなし」
・・・私達は十時間働かなければ賃金をもらって食えませんから、自分のために働いているように思いますけれども、それは実は五時間でできるのであって、あとはすべての生産品は、生産手段をもっている投資家、株主、会社の社長などの利益のために商品として売られて・・・ 宮本百合子 「幸福の建設」
・・・吉田首相は去年の秋頃、読売新聞の馬場社長と対談の中で、日本の将来について、先ず「外国人の安住の地に」したいと云う意味の事を話していました。私はその一言がどうしても忘れられません。日本は日本の人民の祖国であり、皆がそこで真面目に働いて、愛する・・・ 宮本百合子 「今年こそは」
・・・新社長によって代表されている資本家たちの心にとっては、日本の文化のねうちとか、日本人が日本人のいい映画を作り出してゆきたいと願っている情熱などは、全然よそのことであるらしい。その人々が欲するのは利潤であり、利潤につづく権力である。エロ・グロ・・・ 宮本百合子 「三年たった今日」
・・・なぜならこのごろ、日本のような稚い民主社会の編輯者たちでさえ、まさか社長や主筆の「友誼的」推薦原稿をそのままのせたりはしなくなっている。『星』に編輯会議はなかったのだろうか。『レーニングラード』編輯局はただ一人で構成されていたのだろうか。・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・ 職業 自由 進歩 社会 共産 協同 諸派 無所属 社長重役 五七 二九 六 ― 三 一三 一〇 弁護士 一七 九 一九 ― ― 一 三 会社員 三 三 七 ― ― 一 二 医・・・ 宮本百合子 「春遠し」
・・・それは、一人の次官、あれこれの社長、社会党の誰彼が法廷に出て不正行為をあばかれ、責任を問われようとも、それは、東京裁判における東條英機その他の被告が、きょうの社会にもっている関係に等しいという事実である。 日本の人民生活を、今日の惨苦に・・・ 宮本百合子 「便乗の図絵」
・・・川島忠之助は正金銀行の支配人として活躍したし、東海散士、柴四朗は農商務次官、代議士、大阪毎日新聞初代社長、外務参事官、閔妃事件で下獄したこともある。馬場辰猪は、明治四年頃ロンドンで法律を学び、自由党解散の前年「天賦人権論」を著し、獄中生活の・・・ 宮本百合子 「文学における今日の日本的なるもの」
・・・洋袴のポケットへ両手を突こみ、社長が窓から外を眺めていた。「フッ! 何という埃だ。――こんなやつあニガリ撒いた位じゃ利かないもんかな」「――…………」 誰も返事しなかった。編輯員の一人は、片手で髭を引っぱりながら熱心に露文和訳を・・・ 宮本百合子 「街」
出典:青空文庫