・・・の中の作品のほとんど全部を収録し、それから一つ「谷間」をいれた。「谷間」は、その「夜ふけと梅の花」には、はいっていないのであるが、ほぼ同時代の作品ではあり、かつまたページ数の都合もあって、この第一巻にいれて置いた。 これらの作品はすべて・・・ 太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
・・・キ銀鱗躍動、マコトニ間一髪、アヤウク、ハカナキ、高尚ノ美ヲ蔵シ居ルコト観破仕リ、以来貴作ヲ愛読シ居ル者ニテ、最近、貴殿著作集『晩年』トヤラム出版ノオモムキ聞キ及ビ候ガ御面倒ナガラ発行所ト如何ナル御作、集録致サレ候ヤ、マタ、貴殿ノ諸作ニ対スル・・・ 太宰治 「虚構の春」
・・・には、主として随筆を収録しました。七月までには、みんな出るでしょう。 少し休みたいと思います。私はことし三十三であります。女の子がひとりあります。 太宰治 「私の著作集」
・・・に触れるに任せて一読しただけのものを並べたに過ぎない。すべてが良書だというわけではない。翻訳を読むには用心しなければいけない。映画の実例についての著者の所論や感想は「続冬彦集」に集録してあるから読んでもらいたい。姉妹芸術としての俳諧連句につ・・・ 寺田寅彦 「映画芸術」
・・・試みに世界における物理化学に関する研究論文の文献を集録した『フィジカリッシェ・ベリヒテ』及び『ケミカル・ニュース』の最近のものについて日本人の論文の数を検して見ると約三プロセントくらいのものである。少数な世界の強国の中の日本としてはあまりに・・・ 寺田寅彦 「学位について」
・・・ 平和が齎されたとき、一つの文化的な記念として戦線から兵士たちが家郷に送った家信集が、是非収録出版されるべきである。今日、所謂高級ではない雑誌に時々のせられているそれらの手紙は、実に読者をうつものをもっている。これらの飾らず、たくまざる・・・ 宮本百合子 「明日の言葉」
・・・としてしか一般の常識の上にとりあげられなかった両性の社会関係についての考察が、この本の最後に集録されている文章の中では、はっきりと明日の、より幸福の約束された社会をつくるための、男女の新しい社会的協力としての面からとり上げられている。「異性・・・ 宮本百合子 「あとがき(『幸福について』)」
・・・作品を収録するからと云って、私に送らせたのに。 わたしの母は一九三四年六月に、歿した。わたしがその年の一月から警察にとめておかれていたときに。わたしの父は一九三六年一月、亡くなった。わたしが市ヶ谷刑務所にいたとき。直接作品にあらわれては・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)」
・・・はこんどはじめてこの本に集録された。一九三〇年の暮日本プロレタリア作家同盟に参加し、「小祝の一家」あたりから、進歩的な作家としての作品が少しずつかかれるようになった。「乳房」は、プロレタリア文学の運動に参加してからの一番まとまった、努力した・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第四巻)」
・・・現代の読者にとってそれは不必要な重荷であるから、この選集に収録するにあたって、漢字をだいぶ仮名になおした。文章そのものはもとのままである。 一九四八年九月〔一九四八年十二月〕・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」
出典:青空文庫