空知らぬ雨
《空から降ったわけではない雨という意から》涙のこと。
空飛ぶ鳥も落とす
空を飛んでいる鳥さえも落とす力を持つ。きわめて権勢の強いことのたとえ。飛ぶ鳥を落とす。
空に標結う
空に標縄 (しめなわ) を結い渡すような、不可能なこと、思ってもかいのないことを思い煩う。「いかでかはかばかりの御有様も聞かましと、—・ふ恋しさに」〈浜松・四〉
空に知られぬ雪
《空から降ったわけではない雪という意から》舞い散る桜の形容。空知らぬ雪。
空に三つ廊下
天候が、降ろうか・照ろうか・曇ろうかの三つの「ろうか」のどれであるか定まらないことを「廊下」に掛けていったもの。
空吹く風
吹き過ぎていく風を気にとめないように、周囲のことに無関心であること。どこ吹く風。「—と聞き流す」
空を歩む
心が乱れて落ち着かないさま、足もともおぼつかないさまのたとえ。「冠などの落ち行くも知らず、—・む心地して」〈増鏡・月草の花〉
空を使う
1 知っていても、知らないふりをする。そらとぼける。「—・ってとりあわない」 2 うそを言う。「早くしないと帰れなくなると—・うのだった」〈高見・故旧忘れ得べき〉
空知らぬ雪
⇒空に知られぬ雪