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・・・そこに雑木が茂っているのである。 厨子王は雑木林の中に立ってあたりを見廻した。しかし柴はどうして苅るものかと、しばらくは手を着けかねて、朝日に霜の融けかかる、茵のような落ち葉の上に、ぼんやりすわって時を過した。ようよう気を取り直して、一・・・
森鴎外
「山椒大夫」
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・・・村から二、三町で松や雑木の林が始まり、それが子供にとって非常に広いと思われるほど続いて、やがて山の斜面へ移るのであるが、幼いころの茸狩りの場所はこの平地の林であり、小学校の三、四年にもなれば山腹から頂上へ、さらにその裏山へと探し回った。今で・・・
和辻哲郎
「茸狩り」