・・・古い、惨虐な権力を退場させるものは、即ち自分たちインテリゲンツィアをふくむ全人民の進出である、ということが十分わかっている上で、古いものの否認がされたのではなかったのであった。 このことは一九三三年以来、日本にはプロレタリア文学の運動が・・・ 宮本百合子 「誰のために」
・・・必ず結着ある退場をするように描かれなければならないし、又スーと立ち消えるような重要性のない人物がドタドタ作品の中に出て来ることはよくない、と。 これは、あらゆる時代に小説を書く上での意味ある注意として役立つものであろう。 先生は、そ・・・ 宮本百合子 「坪内先生について」
・・・意見を表示する拍手を一切してはいけないということや、取締り上必要と認めたときには退場させるということなどが、細かい字で印刷されているのである。ほかにすることもないから皆がすなおに出してよみかえした。 やがて一時半となり、今にも、と待つが・・・ 宮本百合子 「待呆け議会風景」
出典:青空文庫