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・・・ チェホフが、彼の敏感と人間らしい良心によって、当時一部のロシア・インテリゲンツィアに対して抱いていた忌憚ない反撥と、ゴーリキイが勤労者としての本性によってインテリゲンツィアの中に、有用なものと不用なもの――むしろ有害なものとを嗅ぎわけ・・・
宮本百合子
「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」
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・・・学問をしたものには、それが有用になって来る。原来学問をしたものには、宗教家の謂う「信仰」は無い。そう云う人、即ち教育があって、信仰のない人に、単に神を尊敬しろ、福音を尊敬しろと云っても、それは出来ない。そこで信仰しないと同時に、宗教の必要を・・・
森鴎外
「かのように」