・・・幼児のための設備拡大率 収容人員 一九二八年 一九三三年 増大率 幼稚園 一〇七 二一七 一〇二・二パーセント 子供の遊び場 二〇三 五〇五 一四九・三パーセント・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・[自注2]叔父上――顕治の父の実弟、山口県熊毛郡光井村にすんでいた。幼時から顕治を非常に愛し、小学校へはこの叔父の家から通った。[自注3]林町――本郷区駒込林町二一 百合子の実家。[自注4]父――百合子の実父、中條精一郎。一八六・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・ 勤労者によって構成されているソヴェト社会の実践上、この幼児保護教育の問題は重大な意味をもっている。 一九二七―二八 一九三二―三三 増率 幼稚園子供の竈 一〇七 二一七 一〇二・二パーセント 子供の・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・ 心に何もない幼児のように、ついと嘴を押して、ぴったり隣によりついた仲間の羽虫をとってやる。いい心持なのだろう。取られる方は、のびのびと眼をつぶり、頭の上にあおむけ、いつまでもいつまでもという風に喉の下などを任せている。仲間がもうやめに・・・ 宮本百合子 「小鳥」
・・・私は、近ごろ熾になりたての熱心さでいい加減雑誌の上を這い廻らせてから、楊子の先でちょいと、胴のところに触って見た。するとまあ虫奴の驚きようといったら! 彼――彼女――は突つかれたはずみに、ぴんとどこかで音をさせ一二分体全体で飛び上って落ちる・・・ 宮本百合子 「この夏」
・・・また、愛嬢楊子さんの勉強方針に関して、さりげなく示されている順序も、尾崎氏が、自身の思想構成の正当さについてゆるぎない信念をもっていられたことを示している。 尾崎氏は、或る時代と条件とのもとで、一個の人間が生き得る最も正直な、誇りたかい・・・ 宮本百合子 「人民のために捧げられた生涯」
・・・パ文化は、一方で、トルストイやストリンドベリーのように、そういう甘たるい客間のしきたりに頑固に反撥した人々をもち、今日では、本質の異った社会連帯によって女の性を保護することが客間のエティケット以上の重要事であることを理解し、その実現に努力し・・・ 宮本百合子 「日本の秋色」
・・・ そのような環境の中に幼時を経た頭の鋭い感傷的な性格のロオルは、僅か十五の年、宮廷裁判所の判事である貴族出のベルニィと結婚させられた。大革命期には夫妻とも九ヵ月幽閉され、ロベスピエールの失脚によって解放された経験もある。早すぎて母になっ・・・ 宮本百合子 「バルザックに対する評価」
・・・ はつ子が幼時の病気の為、頭巾を離せぬ体なので、周囲に集る男がつい彼女の女なのを忘れる。夫がまたその普通の女と違う点に安心して干渉しない。実際の事情はそうなのに、若い盛りを恐ろしい孤独で暮して来たはつ子がすべて勘違いし、男達が自分を愛す・・・ 宮本百合子 「帆」
・・・木村は息も衝けない程用事を持っている。応募脚本を読んでいる時間はない。そんな時間を拵えるとすれば、それは烟草休の暇をそれに使う外はない。 烟草休には誰も不愉快な事をしたくはない。応募脚本なんぞには、面白いと思って読むようなものは、十読ん・・・ 森鴎外 「あそび」
出典:青空文庫