・・・その考えなり、感情なりを大衆的に表現して職場仲間よりももっと広い階級感情にアッピールし、その反響を自分にも受けとって激励を感じることは、果して意味の小さいことでしょうか。通信を書くという仕事は、文学の基礎体操のようなものです。そこでは、事件・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
・・・、宗教、婦人運動、教育などの分野でそれぞれの業績を重ねて来ているこれらの婦人たちが、その母としての立場、主婦としての経験から、名誉ある彼女たちの知慧の叫びを街々のつましい主婦の声に結んで、世界に平和をアッピールしたことは、正しかった。世界の・・・ 宮本百合子 「平和の願いは厳粛である」
・・・刊行責任者となり、飢饉救済委員会長として、国際的なアッピールを行った。ロシアの大衆を圧していた限りない不幸、その軛がはずされたこと及びゴーリキイ自身物心づくとからそれによって心臓をひんむかれるような苦痛を感じて来た沼のような無智、野蛮、屈従・・・ 宮本百合子 「逝けるマクシム・ゴーリキイ」
・・・ストックホルムの平和大会が世界に原子兵器禁止のアッピールを行って、数億ちかくの署名をあつめつつある。そこには、社会のあらゆる面に活動している人々――労働者の組織、キリスト教の団体、婦人、青年少年の団体、各種の文化専門グループの人々が加わって・・・ 宮本百合子 「私の信条」
出典:青空文庫