・・・クロムウェルがアングロサクソン民族の王国を造ったことは大事業でありますけれども、クロムウェルがあの時代に立って自分の独立思想を実行し、神によってあの勇壮なる生涯を送ったという、あのクロムウェル彼自身の生涯というものは、これはクロムウェルの事・・・ 内村鑑三 「後世への最大遺物」
・・・しからばこれはセミティク系の言葉かと思っているとまたたとえばスキートの説によればギリシアの euseinはインドゲルマンの理論上の語根 eus とつながり、アングロサクソンの Yslanの源であり、サンスクリットの語根 Ushともつながると・・・ 寺田寅彦 「火山の名について」
・・・○アングロサクソン人の、ロシア及ドイツに対する無智な偏見。○イギリスとアメリカの短篇小説の違い、主としてテクニック上より。 東京会館で夕飯。お濠の景色。日本風なすき焼部屋。ミスが、面白い変化物語と、アナトール・フランス風の話をし・・・ 宮本百合子 「狐の姐さん」
・・・だが、彼の生涯を通して、アングロサクソンのように彼を苦しめた田虫もまた、同時にそのときの一兵卒の銃から肉体へ移って来た。 ナポレオンの田虫は頑癬の一種であった。それは総ゆる皮膚病の中で、最も頑強な痒さを与えて輪郭的に拡がる性質をもってい・・・ 横光利一 「ナポレオンと田虫」
出典:青空文庫