・・・ わが国でも大正末期ごろにはそうした技法によって他人との接触面をカバーするような知性がはやったこともあったが、今はそうではない。愛し、誓い、捧げ、身を捨てるようなまともな態度でなければこの人生の重大面を乗り切れないからである。元来日本人・・・ 倉田百三 「人生における離合について」
・・・子└ ひろ子└進三〔欄外に〕坂上夫妻 友人の家 ┌──┐九月│五日│八日 └──┘Policeman Military Police下駄の音電燈カバーの細工汽車の中┌母・・・ 宮本百合子 「「播州平野」創作メモ」
・・・自身の繁殖力によって消耗を自動的にカバーしてゆく消耗品である。日ごろは人民のつつましい日暮しに触れるところのない天皇をはじめとする雲上人、大臣、大将、代議士たちなどが、戦争となると、いつも離れて生活しているだけに、一層効果的な好奇心・感動を・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
出典:青空文庫