ソヴェト同盟の南にロストフという都会がある。ドン川という大きい河に沿って、花の沢山咲いた綺麗な街が、新しい労働者住宅やクラブの間にとおっている。私は七月のある朝、ドイツからソヴェト同盟へやって来たドイツの労働者見学団といっ・・・ 宮本百合子 「明るい工場」
・・・家庭の主婦たちにしても、いろいろな婦人団体やクラブの仕事をしている人の率が多い。世界民主主義婦人連盟、反ファシスト同盟、人権擁護同盟そのほかに属している婦人たちの数も少くない。これらの婦人たちが切実に要求しているのは平和であり、民主的であっ・・・ 宮本百合子 「新しい潮」
櫛田フキさんの特徴は、フキさんが「あたりまえ」の一人の主婦、母、おばあちゃんであり、同時に活溌に婦人民主クラブの公共的な活動をしているという点です。彼女は重荷の全部を知っています。女が幸福になるために何をどうしなければなら・・・ 宮本百合子 「「あたりまえ」の一人の主婦」
・・・ 国際ペンクラブは第十三回大会をバルセロナに第十四回大会をブェノスアイレスに第十五回大会をパリで開き、ますますはっきり世界の文学者がファシズムに反対して、ヒューマニズムと平和と文化の守りのためにたたかおうとする意志を明らかにして来ていた・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」
・・・ このようにあくどい動きのある側らで、三十数名の婦人代議士たちは二十五日に女ばかり集って、市川房枝女史の世話役で婦人代議士のクラブを作り「女は女で」やろうとしていることが告げられている。 婦人代議士たちは、いま危険な立場にある。自由・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・主婦たちが、いろいろの内容のクラブをつくって有益にたのしく暮すときくが、それはつまり家事の単純化されていることとまったくつながった文化性であることを、きょうの日本の主婦は知りぬいている。 男と同じに女も教育をうけられるようになった。やっ・・・ 宮本百合子 「偽りのない文化を」
・・・ 集団農場には托児所、共同食堂、クラブなどはつきものとなっている。 私は、来ていた人に、自分がソヴェト同盟の南の地方を見学旅行したとき或る国営農場で見たいろいろのことを話した。大きいクラブがあって夜そこで農場員と一緒に無料映画を見物・・・ 宮本百合子 「今にわれらも」
・・・ 夜、工場クラブで集会が終ったところだ。休憩室へみんながぞろぞろとあふれ出し、或る者は隅のテーブルで茶を飲みはじめる。それに混って、ボルティーコフも出て来た。彼はコレクティーブの秘書ソモフの踵へくっついて歩きながら頻りにぐずぐず云ってい・・・ 宮本百合子 「「インガ」」
・・・三月の或る記念日に、或るクラブへ行った。皆の腰かけている平土間の座席におられるものと思いこんで行ったら、その横を通りすぎて、計らずも数人の人の並んでいる演台の上へ案内されてしまった。裏のところで案内して来たひとに、私は何も話しに来たのではな・・・ 宮本百合子 「打あけ話」
・・・ Central Park を抜けてミス コーフィールドまで歩き、彼女をつれて、Mrs Sho の処へ行き、部屋を見、かえりに二人でコスモポリタンクラブへ行く。かえりに、ベルギー人のオーツと四人でコーフィールドの家へ来て、・・・ 宮本百合子 「「黄銅時代」創作メモ」
出典:青空文庫