・・・という国内戦時代のコムソモールたちの感情、若さから誤謬は犯しながら雄々しく実践でそれを清算する働きぶりなどを歴史的に見た劇を上演している。ハバロフスクへ潜行運動にベザイスが、絵を描いた貨車にのっかって行く。その中途から頼まれてのせてやった娘・・・ 宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
・・・ 勇ましい行進曲につれて、その張り物をかついだコムソモールが歩きながら、ヒョイ、ヒョイと糸を引っぱる。 ガッツン! ハンマーだ。ブルジョアの頭をドヤシつける。カマがおりてきて坊主と富農の頸をひっかく。 見物は大喜びだ。子供は、デ・・・ 宮本百合子 「インターナショナルとともに」
・・・を組織した。コムソモールは生産部門の全線に自分たちを動員して、党外勤労者と集団的結束をかためた。然し勤労者の中には「十月」以後ソヴェト同盟で生産は生産のために行われているという羨むべき事実を理解しない「棒杭奴」もある。資本主義生産に奴隷とし・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ 白いさっぱりしたシャツの胸を闊達にひろげて着たちぢれ毛のコムソモールは、ちょっと顔を赧らめ、 ――いや。と云った。 ――何にもないんです。 ――ポケットの中を見せ給え。 どっと笑う。 ――さあ、どうしたんだ? ・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・ 主人公となっている労働者の息子サーニが、優秀な機関手となり、コムソモールとなる迄の生活は、浮浪児の一人として波瀾重畳であり、社会的な犯罪にさえも近づいた時期があった。国内戦時代のことで、そのような悪童的な放浪の道はたまたま赤軍の装甲列・・・ 宮本百合子 「作品のテーマと人生のテーマ」
・・・ソヴェトの若い文学の世代、ピオニェールからコムソモールと育ってきた世代の若い作家シーモノフは、日本の文学者たちがなぜそのように、創作方法ということについてやや執拗にきくのか、一九三二年ころの日本の事情はもとより知っていない。同時に、まだ社会・・・ 宮本百合子 「作家の経験」
・・・テーブルの端っこで速記してるコムソモールカがある。レーニンの石膏像。赤いプラカートは二階バルコンの手すりからも張りまわされている。正面には燃えるようなプラカート「第十回世界無産婦人デー万歳! レーニズムの旗の下に五ヵ年計画を四年で!」棕梠の・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・ピオニェール、コムソモール、自覚ある婦人労働者などはいろんな社会的規律の改善にいつも先へ立って活動する。禁酒奨励運動では、女と子供が実によく働いてる。可愛いピオニェールになってる自分の息子や娘達が凜々しく隊伍を組んで雪ん中を「酔っ払い親父を・・・ 宮本百合子 「正月とソヴェト勤労婦人」
・・・ピオニェール、コムソモールとしてソヴェト社会生活のうちに育ち、ラブ・セル・コル活動をとおして、文章というものをかきはじめ、やがて一つの物語を綴るようにもなり、正規の文学活動家となった人々である。ソヴェト同盟の社会的達成そのものとして現れ、最・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
一九三〇年の初夏、レニングラードから「トラム」劇団がモスクワへ興行に来た。その「トラム」劇団と云うのは皆何年か実際職場で働いた経験のあるコムソモール達に依って組織されている劇団だ。初め各々が演劇好きで倶楽部の演劇研究部のメ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト「劇場労働青年」」
出典:青空文庫