・・・ タワーリシチ! 演説を傍聴さしてもらうぞ」 支那人、朝鮮人たち、労働者が、サヴエート同盟の土を踏むことをなつかしがりながら、大きな露西亜式の防寒靴をはいて街の倶楽部へ押しかけて行った。 十一月七日、一月二十一日には、労働者たちは、・・・ 黒島伝治 「国境」
・・・「タワーリシチ・グレチャニコフ! 住宅管理代表として、こんな醜態は以後注意して下さらなくちゃ困りますわね。宅にはお客様があるんですよ。宅はへとへとになって帰って来たのに、ここじゃドッタン、バッタン! 休めやしない! こんなことだと分って・・・ 宮本百合子 「「インガ」」
・・・「タワーリシチ! われわれは工場新聞と各職場の壁新聞を動員して、少くとも九百人の文学衝撃隊が集められるだろうと思う。 どんなことがあっても、それより少いことが、あっちゃならない。 われわれは、生産経済計画を百パーセントに充すとと・・・ 宮本百合子 「「鎌と鎚」工場の文学研究会」
・・・鈴を振る。タワーリシチ! と演説する。――みんな出来るが、いざ、さあ議長ここに一寸書いて下され、とペンと書類とをつきつけられると、ピョートルの動顛は頂点に達する。――ピョートルは字を知らないという不便を辛棒しかねる。そうかと云って、字を知っ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・「タワーリシチ! ここにも一つプロレタリア文学の誤った手本が出ている。この『職場にて』は、成程機械力が描かれている。機械の統制ある活動の美しさ、歓び、音響、一分間に何本の木材を切断するかという速力についても書かれている。しかし、これだけ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ ――タワーリシチ! クフミンストル倶楽部ってどこだか知りませんか? ――そこの空地を突切ってずっと行って三つめの横丁を左に入ると橋がある、その先だ。―― ――畜生! 警笛を鳴らさずかたっぽのヘッド・ライトをぼんやりつけたト・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・ ――タワーリシチ! 何にもさわるな! 取るな! みんな民衆の財産だ! 広間から広間へ進むにつれ叫びはあっちこっちから絶えず聞えた。 ――革命の規律! 革命の規律を守れ ――タワーリシチ! 俺たちプロレタリアート・ボルシェヴ・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
出典:青空文庫