・・・丹羽文雄が主体性ぬきの現実反映のリアリズムからぬけ出て、少くとも歴史の前進する角度をふくんだドキュメンタリーな作品へ進もうとして、一九四九年にはその素材の選択そのものにおいて、まず歴史的なふるいわけが必要であることを発見したと思われる。「塩・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・をドキュメンタリーに扱うために、ハーシーは日本へ来て、しずかに勤勉にゆきとどいた科学的態度で材料を集めた。第二次世界大戦が人類の生活にひきおこした破壊と惨酷の姿が、「ヒロシマ」にまざまざと一つの典型を示している。原子爆弾が、はじめて殺人の武・・・ 宮本百合子 「「ヒロシマ」と「アダノの鐘」について」
出典:青空文庫