・・・つまり、たった二ドル位で電話がひけるとか、ガスや電気が大へん安い。だから電気で洗濯して電気でアイロンをさっさとかけて電気で料理をして、かたわらでラジオを聴いて勉強していられるというように、同じ一時間でも立体的な一時間になってくる。同じ一時間・・・ 宮本百合子 「幸福の建設」
・・・朝日新聞が、特別寄稿料として三十万円片山氏におくったと、ジャーナリズムでいわれているが、この金額を三六〇でわった千ドル弱で西ヨーロッパとアメリカが巡遊できようとも思えない。片山哲が首相であった時、一般都民が高い都民税に苦しんだ頃、同氏の税額・・・ 宮本百合子 「再武装するのはなにか」
・・・ 去年の彼の収入は百二十万ドル程あったそうだ。このルースというアメリカ・ジャーナリズムの大立者がマクドナルドの観察にしたがうと、単純な、だが全く対立矛盾した二つの分裂した性格をもっている。 一面情熱的な理想家、人類改善の使命の自覚者・・・ 宮本百合子 「微妙な人間的交錯」
・・・しかしそいつらには品がなくてしょっちゅうドルのことしか頭にないのだ〔欄外に〕スタンダールのアメリカ「赤と黒」「選挙のために靴やにつべこべするアメリカ」という風p.82 しかしおれは味もそっけもないアメリカ人の良識・・・ 宮本百合子 「「緑の騎士」ノート」
出典:青空文庫