・・・ まずカールが、次いでイエニーと二人の子供とがパリに赴いたが、フランス政府はマルクス一家を気候の悪いブルターニュの沼沢地方へ追放することにきめた。一八四九年八月の終りカールはついにロンドンへ渡った。カールは詩人フライリヒラートに書いてい・・・ 宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
・・・フランスの北のブルターニュに夏休みのための質素な別荘が借りてあったが、彼女はパリが離れられなくて、まず二人の娘イレーヌとエーヴとを一足先へそちらへやった。お母さんであるキュリー夫人は八月の三日になったならばそこで娘たちと落合って、多忙な一年・・・ 宮本百合子 「キュリー夫人」
・・・彼は、この二つのものの中に、彼の大きい真情を傾けて敬愛しているベルニィ夫人と母までをこめて、考えねばならぬ端目になった。ブルターニュの昔からの知人の家へ暫時息ぬきに出かけた。パリへかえってカシニ街にどうやら身を落付け、バルザックは再びペンを・・・ 宮本百合子 「バルザックに対する評価」
・・・) ブルターニュ 木菟党をよむ。深く感動した。今日、ヨーロッパ地図の上で、人間の理性の地図の上で、ナチス侵入に総反撃を加えつつあるブルターニュのマーキの人々の活躍の価値を思い合わせて。 木菟党は、大革命・・・ 宮本百合子 「バルザックについてのノート」
出典:青空文庫