・・・トルストイのコサックや傑出した短篇「ハジ・ムラート」を読むだけでいい、帝政時代の権力は、自分たちをこやすために搾取するための植民地、属国、だましやすい辺土の住民としてだけ彼等を思い出した。 コーカサスの雄大極まりない山嶽を南へ縫ってウラ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・や「ハジ・ムラート」に感動した。深いその感動は、自分のうけている村の自然と人間の生活の姿を強烈にわたしの心に甦らし、それを描き出したいこころもちにみたした。そこで、書き出したのがこの小説であった。小説らしい形にまとまった最初の作品であった。・・・ 宮本百合子 「作者の言葉(『貧しき人々の群』)」
出典:青空文庫