・・・僕はさっそく学生のラップにこの問題を尋ねてみました。「それは基督教、仏教、モハメット教、拝火教なども行なわれています。まず一番勢力のあるものはなんといっても近代教でしょう。生活教とも言いますがね。」(「生活教」という訳語は当たっていない・・・ 芥川竜之介 「河童」
・・・ つき当りの壁から左へ鍵のてに卓子が並んで、真中に赤い鼻の丸まっちい「ラップ」の作家タラソフ・ロディオーノフが、鳥打帽かぶって、黄色っぽいレイン・コートをひっかけたまま坐っている。 二十人ばかりの職場からの若い連中が集っているのだが・・・ 宮本百合子 「「鎌と鎚」工場の文学研究会」
・・・ プロレタリア詩人、ベズィメンスキーは、一九二九年、ラップが「大衆の中へ!」というスローガンをかかげていた頃「射撃」という詩劇を書いた。 或る電車製作工場内におけるウダールニクの組織のための闘争とそのウダールニクの献身的な活動の歴史・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・とともに、ほうはいと高まった大衆のうちのプロレタリア化の可能性=文学においてはプロレタリア文学創造のより豊富な可能性を、十分指導し、開花させるために、すでに従来の組織ではこの必要を充足し得なくなった「ラップ」の発展的解消を提唱し、創作方法の・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
・・・小松氏は第一回全ソ作家大会の重要性の一つは、かつて「ラップ」によって「ブルジョア自由主義もしくは個人主義文学の名によって蔑視され勝ちであった西欧文学についての再検討と、自国文学に対する価値的反省」であるとし、「フランスの行動的ヒュマニズムの・・・ 宮本百合子 「新年号の『文学評論』その他」
・・・が、特に同伴者作家への働きかけを問題とし、ソヴェト同盟では「ラップ」が解消され目下綜合的で単一な作家団体のための組織委員会がもたれていることなどを引き合いに出し、プロレタリア文学における同伴者的分子の過重評価とプロレタリアートのヘゲモニーの・・・ 宮本百合子 「前進のために」
・・・「我々は全ソヴェト作家団体協議会の師匠役になる用意はすっかりしている。作家団体と赤色陸海軍作家連盟とがその師匠役の組織的形態を示してくれることを我々は希望している。」「ラップ」の新鋭作家たちの間では、文学の組織的生産が問題としてとり・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・そういう尾崎自身はワシントンで議会訪問した折、国会図書館長のラップ氏から、同図書館に陳列されている自作の和歌をしたためた色紙を示されて、ニンマリ満足した上眼づかいの写真をうつされている。 帝政ロシアの貴族たちはフランス語で話した。中国の・・・ 宮本百合子 「長寿恥あり」
・・・から脱退し、自己批判を遂げてラップに参加した作家も少くない。 日本のように、資本主義独裁と白色テロールの旺盛なところで、階級闘争は激化し、イディオロギー的差異は有無を云わせず作家の陣営を決定しつつある。既に一九二七年、右翼的固執を示した・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・それには当時のラップをはじめ、アカデミーの文学部、人民文化委員会の芸術部等が共同的に参加して、まことに有益な催しをもった。 ゴーリキイの原稿、それから一九〇五年にゴーリキイが宣伝文をかいたというために検挙されたペテロパヴロフスクの要塞監・・・ 宮本百合子 「私の会ったゴーリキイ」
出典:青空文庫